元天才リベロは烏野のマネージャー 12

538.共犯 ページ13

宮治side


10時開始のAの試合…

ラッキーなことに授業はクラスマッチのチーム分け…

級長が仕切っているが、どうせ俺はバレー

バレー部は1人しか試合出れんから、角名が野球行くやろ…

勝手に自己完結し、耳にイヤホンを突っ込む


実況『誰が想像出来たでしょうか！数々の有名実業団チームを破り、勝ち上がって来たのが、無名のクラブチームだということを！今大会、最年少にして、最も背の低い女子高生がこの舞台に立つことを！』


興奮しとるアナウンサーの声

そらそうや…

どんなに『天才リベロ』や言われ続けてきとっても、限度ってもんがある…

でもプロ相手に勝ちよった

…しかもリベロだけやのうて、WSもするときた

ほんまバケモンやわ…


角名「ちょっと治、なにやってんの？」


前の席の角名が「どっちが野球行くか決めなきゃいけないんだけど」と振り返ってくる…

んなもん、角名が行けや…


角名「…もしかしてソレ、Aちゃんの試合見てる？」

治「おん」

角名「やっぱり」


俺の左耳のイヤホンを角名に渡す


角名「なに？」

治「共犯」


鼻で軽く笑った後、躊躇う事なく耳にイヤホンをハメる

この席は窓側の1番後ろ…

バレないだろうと、スマホを机の上に出して角名と一緒に試合を見る


級長「ちょっと2人、なにやっとん！」

角名「げっ」


級長の声がして、慌ててスマホを隠すも時すでに遅し…


女1「委員長〜！2人スマホ見てんで」

治「ちょっ！お前チクんなや！」


騒がしくなる教室…


女2「…もしかして、治が見てんの『Aちゃんの試合』とちゃう？」

治「…おん…えっ、なんで知っとんねん」

女2「いや昨日のスポーツニュース、ずっとその話題やったし『天才JKや〜』言うて」


あの子むっちゃ可愛かったしの声を合図に、周りから指笛やら、奇声に似た声が上がる


男1「なんそれ！俺見たい！」

女3「私も！」


ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗッ


先生「なんや！？騒がしい」


慌てて職員室から教室に飛び込んできた担任…


男1「なぁ先生！俺らTV見たい！」

先生「はぁ！？」

級長「今、女子高生が大活躍してるっていう試合をTV放送してるんです。私達が勝つには研究が必要や思うんです。」


こじつけ凄いな…

級長の一言に担任も、まぁ次は俺の授業やしええか、と納得しとる…


先生「ただし、わからんことあったらちゃんと角名と宮が解説せぇよ！」

生徒「「「しゃァ！！」」」


いや、別に俺ら"する"とは一言も言ってへんやん

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