利害一致の臨時マネ 2【青葉城西】

68.笑顔 ページ21

松川side


及川「…じゃあ消すよ〜」

「「「「うぃ〜っす」」」」


消灯時間がきて及川が電気を消す…

真っ暗になった部屋…

いつもならミーティングルームでAの話を聞いてる時間でも、誰も自分達の部屋から出ようとはしなかった…

誰も喋ることなく、いつもなら畳まれてる洗濯物を、みんな静かに畳んでた…

Aが畳んでくれてたみたいに丁寧に畳んでみたが、時間がかかって大変だった…

…改めて、Aのいる有り難さを実感した


松川「…はぁ」

花巻「…どうした松川？寝れねーの？」


隣で寝てる花巻が声をかけてくれる…

起こしちゃったかな…


松川「…悪い」

花巻「…なんでもいいけどよぉ…お前も俺ら頼れよ？」

松川「…えっ？」


ゴソッと布団が動く音がする…

誰かが寝返りを打つような音…


それも1つじゃない…


及川「そーだよwまっつん」

岩泉「俺らも仲間だろうが、ボケェ」

松川「及川…岩泉…」


…なんだよコイツらw

…カッコよすぎんだよ…


矢巾「…及川さん達だけじゃないですよ？俺らもいます」

渡「…なんでも聞きますから。松川さんのことも、葉山先輩のことも…」

国見「…俺も聞きます」

金田一「松川さん、俺らのことすごい気にかけてくれるじゃないですか！…それなのに、1人で抱え込むなんてずるいです！」

松川「ずるいって…はぁ…w」


そっか…

俺も頼っていいのか…


松川「…ありがとな…じゃあ頼らせてもらうわ」


真っ暗でも、みんなが笑顔になるのが分かる…

ほんっと、バカみたいに優しいやつばっかだな…


及川「じゃあそろそろ寝るよ〜」


「「「うぃ〜っす」」」


ゴソゴソと布団が元に戻る音がする…


花巻「…松川、おやすみ」

松川「…おやすみ」


そっと目を閉じる…





・





・






・



思い出される俺の記憶…



中３の時、Aは部活を引退してから、滅多に笑わなくなった…

親に心配かけまいと、毎日学校には来てたものの、目立たないように、息を潜めてた…

スポーツ県代表として、表彰を受けたときでさえ、笑わなかった…

…小6ときはあんなに喜んでたのに

明るくて人気者だったAは、もうどこにもいなかった…

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