利害一致の臨時マネ 2【青葉城西】

65.寝顔 ページ17

松川side


及川「まっつん…」

松川「おぅ及川…」


少し慌てたような及川が体育館から顔を覗かす…


松川「…Aのこと、聞いた？」

及川「うん…岩ちゃんとマッキーから聞いた…Aちゃんは？」

松川「…寝てる」


泣き疲れたのか、俺に寄りかかって寝てるA…

頬にはうっすらと涙のあとが付いてる…


及川「…疲れが出たんだねw…Aちゃん頑張ってたし」


体育館から出てきて、寝顔可愛い、なんて言いながら、そっとAの髪を撫でる及川…

どこのバカップルだw

…及川には、妹分のAを渡したくねぇなw



及川「…Aちゃん、ずっと無理してたのかなぁ…」


俺とは反対側のAの隣に座り、そう呟く及川…


松川「…さぁーな…俺はAじゃねぇから分かんねーけど…この前、バスケしてた時、コイツのキラキラした目、俺久しぶりに見たんだよなぁ…」


ボールを面白いくらい上手に扱うA…

外れないシュート…

正確なパス…

仲間のちょっとしたミスも帳消しにするようなAのプレー…

クラブに、部活に熱中してた時と同じ目をしてた…

…控えめに言ってかっこよかった


及川「うんw…Aちゃん、凄かったね…」


思い出したように少し笑う及川…




花巻「おーい…そろそろ始まるぞ〜」


ひょっこりと花巻が顔を覗かす…


松川「おぅ」

花巻「あれ？wA寝てんの？」

松川「あぁw」


覗き込んでも起きないA…

相当疲れてたんだな…


及川「どうしよっかw」

花巻「鼻つまんで起こすか？w」


悪戯に笑って、手でつまむような仕草をする花巻w


及川「ダメだからねw」

花巻「嘘だわw…寝かせといてやれば？…疲れてるんだろうし」

松川「…そうするか」

及川「じゃあまっつん、Aちゃんをよろしくね〜」

松川「おー」


先に戻ってるからって体育館に入っていく及川と花巻…

直後に、『呼びに行くのにいつまでかかってんだボケェ！！』っていう岩泉の声と、ボールが何かに直撃する音がした…

あとついでに及川の『ｳｷﾞｬ』っていう潰れたカエルのような声も聞こえた…

…つーか及川、俺とAを呼びに来たのかよ


さっ、俺もAを部屋に連れていくか…


松川「…軽っ！？」


Aを持ち上げれば、簡単に上がる…

こいつ、相変わらず軽いな…


前よりも明らかに落ちた筋肉…

スポーツマンとは程遠い、華奢な体…


改めて実感する…


そっか…

…コイツ、ほんとにバスケやめたんだ

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