車イス人生 6【男主】

259.病院 ページ3

Aside




A「小野さん、どーします？10分ぐらいですけど、車の中で待ってますか？」

小野「あ…うん、待ってる」

A「じゃあ、ちょっと行ってきます！」

小野「行ってらっしゃい〜！」


小野さんと別れて夜間入り口から入る薄暗い電気がついた夜の病院


結構不気味…


スタッフルームの扉を叩く

看護師「あっ、Aくん、こんばんは〜」

A「こんばんは〜」


ベテラン看護師さんと、常連患者の図が見事にできてるwww


看護師「田中先生ですね〜田中先生！！」

田中「あっ！今日来れたんだな！明日でも良かったんだが、Aに、早く見せたくて！コレだよ！」


A「あっ！！」



そこには…

電動車イスがあった


A「かっけー！！！」


田中「オーダーメイドのやつだぞ！！お前が悩みに悩んで決めた柄だってはいってんだからな！」


A「おぉ！！」



俺専用の電動車イス


青いボディに、銀で書かれた『dragon』の綴りとドラゴンの絵


かっこよすぎて！！！




田中「乗ってみるか？」

A「うん！」



たなちゃんに乗せてもらい、電動車イスの使い方を教わる


結構難しいww



A「ありがとう、たなちゃん！ちょっとだけ、わかった！」


田中「おう！あっ時間大丈夫か？」


A「やばい！！ありがとう！おやすみ！」

田中「おやすみ〜！」




たなちゃんと別れて思うことは１つ


『明るく接することができただろうか？』


たなちゃんに電動車イスを勧められたとき、俺の病気は悪化してるって遠回しに言われた感じがした


いや、言われた



だから、俺はそれを悟られないように、本気でカッコイイボディにして馬鹿みたいに喜んで……

それで…


動かなくなっていく、自分の身体を必死に隠した……


誰にもバレたくない…


紙の台本はなかなかめくることが出来ないから俺だけタブレットにしてもらった


お箸は握れないから、スプーンでご飯を食べる



車イスだってそう…


指先が硬くなってきて、車輪が回せないから電動車イスにしたんだ……


悔しいよ……



自分の力で、動きたいよ…

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