発車音 ページ42
_貴方side
『私だって会いたいし...』
そう画面につぶやくこと3年。
あれから1回も帰国できてなくて、会えていない。
でも、龍友くんはどれだけ忙しくても連絡してくれて、
声聞きたいからって電話してくれる。
はよ会いたいわあ
そんな彼からのメッセージに私は毎日同じことを零す。
.
『会いたいってばあ、ばかずはらさん。』
たまに出ちゃう私のくせ。
龍友って呼んでって言われたけど、ハードルが高くて龍友くん。
でも未だに数原さん。なんて呼んじゃう。
「はい、そんなAさん」
『わ、びっくりした。部屋入ってくるなら言ってよ』
うへへと顔を緩ますのは今や世界で1.2位を争うトップデザイナー蘭。
『どうしましたか』
「佐藤社長にいい報告があります」
そう笑った蘭は、何かを企んでいるようだった。
.
_Thank you,Ms.Sato._
_You're welcome,Kate!_
.
「おかえりなさい」
『ただ今戻りました、立谷先輩』
「大きくなって帰ってきたわね」
『もちろんです(笑)』
ここからがリスタート。
.
『社長。』
「ご苦労さま佐藤。これから、うちの副社長として頼んだわよ。」
『はい!』
それから〜。
次に伝えられた言葉は
私の過去をも引っくりがえす明るい未来への発車音だった。
.
「ちゃうやん、やから!」
「わかってるて!」
「数原さん中務さんもう着替えてくださいって!!」
『ふふっ』
中から聞こえる楽しそうな声。
私の後輩柊木の声。
そして、
私の大好きな人。
数原さんの声。
ずっとずっと会いたかった。
.
ガチャ_
「ちょっと渚先輩遅いですよ〜!今日もこの二人言い合いしてるんですよ!」
「めずらしいじゃんね、松井ちゃんが遅刻なんて」
白濱さんがそう言うと、一気にみんな私の方を見た。
誰が一番最初に気づくかな、なんて。
「え、」
そう零したのは間違いなく私の彼、数原さんだった。
『今日から専属になります、佐藤です。よろしくお願いします!』
勢いよく帽子をとって挨拶をすれば、固まる8人。
.
『佐藤A、シスブロ副社長として、帰国致しました!!』
言う告げた瞬間私は大好きな香りに包まれた。
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Kas(プロフ) - みこさん» めちゃくちゃうれしいです!!!ありがとうございます!! (2019年3月11日 19時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - あきさん» ありがとうございます!!そう言って頂けて光栄です! (2019年3月11日 19時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - りなgさん» それいいですね!!!考えてみます!! (2019年3月11日 19時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - お疲れ様でした!いつも泣きながら見てました(ToT)続編楽しみにしてます!!! (2019年3月10日 19時) (レス) id: 7508aee575 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 続編待ってます!もうダイスキすぎる作品! (2019年3月10日 2時) (レス) id: fe270701ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 空 | 作成日時:2019年1月26日 21時