"愛す" をコンビニで買う 3

幸せになる番 ページ36

_龍友side




「ねえ、何が楽しくてクリスマスイブの夜を男3人で過ごさなきゃいけないわけ？」







そういったのは亜嵐くん







「ほんとですよ。」






それに乗っかったのは涼太。









.






「だって、まともな精神状態でおられへんやん、」




数日前...









「龍友くんちょっといい？」



そういった玲於の顔は至って真剣だった。







「どうした？」


「やっぱ、敵わなかったよ」


「え？」





玲於は僕の目を見てきっぱりと言った。







「Aを幸せにしてやって」


そう悲しく笑った。



そんな玲於に僕は何も言ってやることができなかった。









「クリスマスの10時30分。羽田空港」





それは、AちゃんがLAへ飛び立つ日。


そんなこと聞かなくてもわかった。









「でも、玲於...」


「守られてる幸せってほんとの幸せじゃないんだよね。」









玲於は言った。




「幸せにしてやんねえと、また奪いに行くから」


そう笑った。









.








「玲於だって並大抵の覚悟で言ったわけじゃないと思うよ？」


「それは、分かっとるけど...」




そんな時涼太がズバっと言った。






「龍友くんが動かなきゃ、玲於の今までが報われないんじゃないんすか？」






玲於の今まで...




あいつはホントのことを知ってどう思ったんやろうか。


どんな思い出過ごしてきたんやろうか。






考えただけでも、鳥肌が立つ。





もし、逆の立場やったら...。




僕は玲於のようにできやんかったやろうし、


そう思えば、




玲於の今までを僕が潰すのは違うと思った。









「そうやな、」



「龍友くんが幸せになる番だよ」





2人の顔をみれば、今までで1番優しい顔だった。









.






玲於、ごめんな。




ありがとう。








.








「さっ、虚しく男3人のクリスマスパーティー始めましょうに！」


「お泊まり付きとかほんと、しんどいっすね〜、」


「僕のためや！！いちんちぐらい我慢せえ！！」









Aちゃん、愛してるよ。




もう隠すことはできへん。





逃げへんから、









また、数原さんって笑って。







幸せにするから。









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