俺達のクリスマスイブ ページ28
_玲於side
12月24日、世間はクリスマスイブ。
俺たちにとっては、悲しい日。
そんな日でも、仕事はあって。
『玲於くん頑張ってきてね』
「ん、」
ドアノブを握ろうとすると、手首をぎゅっと引っ張られる。
振り返れば、
優しくキスをされる。
『だいすきだよ』
俺の心を察するかのように、入り込んでくるA。
なあ、俺、幸せにできてた?
俺からもう一度キスを贈って、家を出た。
ぼんやり歩く街並みは、俺を貶すかのように眩しかった。
.
龍友くんの報道があって、楽屋は静かになった。
みんな、俺がまだ付き合ってること、頭おかしいとか思ってんだろうな、
「よし!!始めようか」
亜嵐くんの一言で始まるとあるリハ。
「玲於」
真剣なリーダーのかおをみてなにかを察した。
「涙のフォーメーション考えてくんない?」
涙は、今の自分と重なるような、そんな気がした。
「涙、ボーカルだけじゃないんすか?」
「今回はパフォーマーも入れようと思って」
その目から何か、俺にチャンスを与えてくれている気がした。
わかったと頷いて、俺はステージとダンスと向き合った。
亜嵐くん、ちゃんと決着つけるよ。
優しいメンバーと愛おしい彼女に出会えた俺は、クリスマスイブが仕事でも
世界一幸せものだと思った。
.
「龍友くん、いい?」
俺はこの日、龍友くんを呼び出した。
.
「ただいま」
今日早めにあがれて、6時に家に着いた。
でも、Aがいる様子はなかった。
部屋は、Aの荷物が減って、物寂しくなった。
そっか、今日送るって言ってたっけ。
離れていく彼女に俺は何が出来るだろう。
『わ、玲於くん帰ってたんだね!!ごめん、お隣さんに挨拶言ってた(笑)』
「わざわざそんなこと(笑)」
『玲於くんがデリバリーばっかりしてたら怒ってあげてくださいって言っといたの!』
そんな彼女が俺は好き。
『あのね、ちょっと話しておきたいことがあるの』
豪華なメニューが並ぶテーブルを挟んで、俺は深く頷いた。
.
そんな俺達のクリスマスイブ。
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Kas(プロフ) - みこさん» めちゃくちゃうれしいです!!!ありがとうございます!! (2019年3月11日 19時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - あきさん» ありがとうございます!!そう言って頂けて光栄です! (2019年3月11日 19時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - りなgさん» それいいですね!!!考えてみます!! (2019年3月11日 19時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
みこ(プロフ) - お疲れ様でした!いつも泣きながら見てました(ToT)続編楽しみにしてます!!! (2019年3月10日 19時) (レス) id: 7508aee575 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 続編待ってます!もうダイスキすぎる作品! (2019年3月10日 2時) (レス) id: fe270701ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 空 | 作成日時:2019年1月26日 21時