"愛す" をコンビニで買う 2 (ページ27)

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_龍友side

あれから1ヵ月近くたった。

4月ももう中旬。

僕と萌の関係は進んどるわけでも後退しとるわけでもなく、

ただただ足踏みをしとるような、そんな状態。

でも、僕は自然と萌と呼べるようになったし、

萌も前よりも自然な表情が出来るようになっとる。

ただ、お互いに好きじゃない。

きっとこれからも好意を抱くことは無い。

僕は未だにAちゃんの事を想っとる。

たまにAちゃんのことを思い出しては涙することさえある。

でも、玲於と幸せそうやから僕は邪魔できへん。

邪魔したら萌を裏切ることにもなる。

.

リハ室 ((;rehearsal room

「PIERROTのとこもっと工夫したいよね」

「じゃあもう、思いっきり雰囲気変えたらいいんじゃないすか？

衣装チェンジしたしょっぱなに持ってくるとか」

「それもありだけど、何をテーマにするか大事になってこねえ？」

ドームツアーに向けてGENERATIONSとして前に進んでいる。

あと1ヶ月もしたら始まるのに大丈夫なんやろかと不安を抱きながら、

「ん～、よし！休憩！PIERROTからの流れも決まったし」

各々の休憩をしていたら玲於の携帯がなった。

「あ、Aだ」

と頬を緩ませながらリハ室を出ていく。

残された僕達の会話はもちろん玲於のこと。

「玲於、めっちゃ幸せそうな顔してますよね～(笑)」

「変わったよね(笑)」

「玲於が幸せならそれでええやんか」

僕と亜嵐くんは何も言えずにいた。

でも、ほんとに玲於とAちゃんの幸せは願っとるから。

ｶﾞﾁｬ

「ねえ、大変な事言っていい？」

帰ってきた途端口を開いた玲於。

「なに、どうしたの」

みんなが玲於を見る。

「今回の衣装担当、ｼｽﾌﾞﾛだって、」

『え！？』

「まって、あんなでっかい会社と手組むの！？」

「すごくない！？あんなブランドとだよ！？」

うそやろ、ｼｽﾌﾞﾛとLDHが一緒になるなんて考えたこともなかった。

「デザイナーは世界からも注目されてる人らしくて、

コーディネーターがさ...」

口をごもらせた。

まさか、Aちゃん？じゃなきゃ玲於あんな嬉しそうな顔せえへんか(笑)

「Aちゃんなんでしょ、わかったわかった(笑)」

「やばくね！？」

とはしゃぐ玲於はなかなか珍しい。

ああ、ドーム楽しみやな。