存在 ページ34
_貴方side
「佐藤はしばらく本社出勤ね」
そう告げられた。
こんな顔誰にも見せられない。
ましてやお客様相手になんて。
少し痩せて顔色も良くない。
そう周りから言われる。
いつのまにか私の中で数原さんの存在が大きく大きくなっていた。
「佐藤、佐野さんって方が今夜8時こないだのお店でって本店の雪野から伝言」
『あ、はい』
佐野さん...
きっと数原さんのお話をされる。
そうおもった。
むやみに外に出たくなかった。
数原さんを見たくなかった。
数原さんと彼女さんが幸せそうなところなんて見たくなかったから。
.
夜 ((;night
お店に着いたらこないだの如く、佐野さんとメンディーさんがいた。
『こんばんは...』
座って座ってと場を和ますようにメンディーさんが言う。
2人共私を気遣うような目を向けてきた。
「顔色、悪いけど大丈夫？」
『えっ、』
「うちの誰かさんみたいだね、メンさん」
ちょ、玲於と焦るメンディーさん
数原さんのこと?体調崩してるの、?なんで?
不安と心配が脳内を埋め尽くす。
「ねえ、何があったの？」
単刀直入に佐野さんはそう言った。
『何も無いです。何も無かったから、こうなってるんです』
佐野さんにはきっと私の気持ちがバレてる。
だからもうはっきりと言った。
しばらく続く無言。
これを破ったのは佐野さんだった。
「龍友くんは簡単に人を裏切るような人じゃない」
『分かってますよ。
でも、私の中で勝手に数原さんに大切にしてもらってるって勘違いしてて...
そしたら、私よりももっともっと大事な彼女さんがいて。
それを知って傷ついたんです。
いつのまにか、数原さんが居なきゃダメで...
どんどん存在が大きくなってるんです...』
きっと私の気持ちに気づいていなかったであろうメンディーさんは
えっ、と声を漏らした。
「龍友くんは...!!」
『今は!!数原さんのお話聞きたくないです...。
きっと辛くなるだけだから...』
下を向いているとメンディーさんが
優しい声でこういった。
「龍友のこと大切にしてやって」
.
何を言ってるの??
大切にするのは私じゃない彼女さんだよ、
大切にしたって一方通行なんだ...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 565人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Kas(プロフ) - ばばばばさん» 貴重なご意見ありがとうございます。名前変えさせていただきます。わざわざありがとうございます。 (2019年2月21日 22時) (
レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
ばばばば(プロフ) - 龍友くんの妹さんって一般の方なので、名前出さない方が良いかと思います。モデルやってる事と芸名をここで出すのは違うかと思います。 (2019年2月21日 0時) (レス) id: 36efc0d142 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» そうなんですね！！！ありがとうございます！！ (2018年12月7日 19時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
星を見守る砂岩(プロフ) - スピッツの歌にこういう歌詞があったのでこういう作品があるのは嬉しいです！更新頑張って下さい！ (2018年12月7日 8時) (レス) id: 5a8ebe94bd (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - あさひさん» これからの展開に期待していて頂けると嬉しいです!!書いている側も龍友くんの立場になると辛いです（ ; ; ）そうやって言って頂けて本当に嬉しいですううう!! (2018年12月3日 21時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蒼 空
| 作成日時：2018年11月9日 17時
