ポルトパラディーゾ ページ9
キーナside
朝食作りの手伝いをしようと思って、僕はいつものように甲板を通って調理場に行こうとした。
甲板を通ったら、トリックさんが海を眺めていたから、話しかけたんだ。
『トリックさん!おはようございます!』
「まだ夜中だけどな。」
『この早い時間に何してるんです?』
「今日中にポルトパラディーゾに着くんだと。だから海見てたんだよ。」
そう言うと、僕の肩に肘を置いた。
『あぁ!この間チップ君とラビットさんが言ってた所!』
「おぉ。ポルトパラディーゾの話したのか?」
『はい!特技を見せるから僕の特技を教えて!って言われました!』
「お前の特技って何なんだ?」
前に二人に言ったときみたいにトリックさんに説明した。
「俺のイカサマでも見抜けるのか?」
『た、多分ですけど...。』
「ポルトパラディーゾで見せろよ?」
トリックさんはそう言い、ニヤッと笑う。
いつか読んだ本に出てきた猫のようだと思った。
『は、はい!じゃあ、僕マンマさんの手伝い行ってきます!!』
笑顔を向けられて、僕の顔。赤かったと思う。
それを隠すように調理場へ向かった。
.
トリックside
夜中に目が覚めちまったから、甲板に出て、少し海を眺めてた。
そしたら、マンマの手伝いか?キーナが歩いてきた。
『おはようございます!』
って言われたから、そっから話してたら、ガキンチョとラビットと一緒にポルトパラディーゾの話をしたんだと。
キーナの特技は嘘を見抜くことらしい。
あと多少イカサマも見抜けると。
「ポルトパラディーゾで見せろよ?」
って少し笑ったら、アイツ。逃げるように調理場の方に走ってった。
さっきまで肘をキーナの肩に置いてたから、少し違和感の残る腕をぶらぶらしてた。
「アイツとポルトパラディーゾで宝探し出来んのか。」
ぽつりと呟く。
もうすぐ朝日が上って、そうしたらあの港にも着くだろう。
部屋に戻るか。
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結架(プロフ) - 結架やで ええなこれ めっちゃ好き (2019年9月7日 22時) (レス) id: 51078d5ff2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいす | 作成日時:2019年8月7日 22時