【呪術廻戦】雲外蒼天 (ページ13)

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「先行ってますからね！」

恵くんは私のスマホに飛びついた同級生たちを引きずるように部屋から出ていった。やっぱ仲良いな。

ぽかぽかした気持ちになっているとずいっと目の前に現れた2つの蒼。その持ち主である彼は意地悪そうな笑みを浮かべているが、そんな表情でさえも様になって見えてしまう。

「Aさ、何の夢見てたの？幸せそうな顔してたけどもしかして僕の夢？」

「まぁね。」

「アハハじょうだ…ん、って、まじ？」

「自分で聞いたくせに驚いてるの？」

「いや、うん、ずるいねキミ。まじか、うわ〜自爆じゃん僕。」

白い頬をうっすら赤く染める彼。五条悟にこんな一面があるなんて関わりのない術師たちは想像できないだろうな。割とこんな感じだよみんな。

と、視線を上げると何やらムスッとしている傑。拗ねてるの分かりやすいな。置いてけぼりなのが嫌なんだろうか。彼も彼で周囲からのイメージと反して子供っぽいところがある。

「夢の中、傑もいたよ。」

「えっ！…ちなみにどんな内容？」

「3年生のとき傑に泣かされた夢。」

「え"。」

目をキラキラさせたかと思うと私の一言で一気に青ざめていく。“3年生”と聞いて心当たりがあるようで冷や汗までかいている。

「そ、その節は、スミマセンデシタ…」

「…」

「まだ怒ってる？」

「…っふふ、」

大の大人がこんなに焦っている姿はなかなか面白いものだ。私はもうそんなに気にしてないのにね。

バカだなぁ。

「もう気にしてないよ。ただ一つ確認しておくとしたら、」

「うん？」

「これからも一緒にいてくれる？」

「な、」

何か変なこと言っただろうか、傑は口を開けたままピシリと固まる。

一度道を外れようとしていた彼がこうして今も一緒にいてくれることが、私はすごく嬉しい。それを伝えたかったんだけど。

「おーい、傑このあと任務なんでしょ？悟も…私先に悠仁くんたちのとこ行ってるよ？」

…話を聞いていない二人はもう置いておいて。

学生たちを追って私は部屋を後にした。

＿＿＿＿＿＿『雲外蒼天』完結。