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ぱしゃと音がして意識が浮上する。
「ごめん、寝ちゃってた。」
空き時間に少し休憩しようと腰掛けたソファでそのまま寝落ちてしまったようだ。
懐かしい夢を見た。
徐々にはっきりしてきた視界がとらえたのは何故かピタリと隣に座っている悟と、
「もしかして今の音で起こしたかな。」
「あーあ、せっかく僕の肩で寝てたのに。オマエのせいだぞ傑。」
目の前でこちらを覗き込みながらスマホを構えている傑。
「Aが人前で隙を見せることなんてないからさ、ついね。…今の写真、悟もいるかい？」
「いる。」
「せめて私に隠そうとして？」
「寝顔ゲット〜！」
「すぐ消してよ！？」
“つい”で人の寝顔を撮る傑も、ちょっと前まで拗ねてたくせに意気揚々と写真をもらっている悟もどうかしている。
大人になった今でもこうやって私で遊んでるんだ。この人たち学生時代からやること変わらないなぁ。
「私たちが来ても気づかないなんてね。疲れてるんじゃないか？」
「今回は僕たちだったからよかったけどさ、こうも無防備じゃ心配だなぁ。」
僕の肩はA限定で無料貸出ししてるよ！とか何とか言っていた悟は無視した。
「Aさん五条先生、ごめん遅れた！って、夏油さんもいるじゃん、どったの？」
入ってきたのは悠仁くん。後ろから恵くんと野薔薇さんも続く。
「あ！どうせまたAさんにウザ絡みしてたんでしょ！やめなさいよ！」
「落ち着け釘崎。この二人には何言っても無駄だ。」
「え〜、人聞きが悪いこと言わないでよ野薔薇。」
「Aが寝てたから私たちで守ってただけさ。」
「はぁ！？寝てるAさんに近づいたぁ！？」
鬼の形相で威嚇する野薔薇さん。当の本人たちはヘラヘラと気にする様子もないが。…スルーしてたけど恵くんも辛辣なこと言ったよね？
悠仁くんに至っては、釘崎そんな怒るなよと言ったばかりに「アンタは黙れ！」ととばっちりを受けていた。こういうのは触らぬ神に祟りなしだよ。
仲良いなぁ、なんだか自分の学生時代を思い出す。
なんて思って学生たちを見ていたら、恵くんと視線がぶつかる。10年前を思うと彼もまだ学生とはいえ随分大人になったな。
「どうしたんですか？」
「いや、恵くんも初めて会ったときは小さかったのに立派になったなと思って。…あ、昔の写真残ってるかも。」
「は！？」
「伏黒の昔の写真！？見せて見せて！」
「私も見たい！」
「おい、やめろお前ら！」
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作者名：i-su | 作成日時：2023年9月27日 17時
