【ｄ！】愛とそれとこれを。【短編集】

知らぬが仏。【os】 ページ1

※※【気持ち悪い表現があります。】※※








最近、周りの様子が可笑しい。

いや、最近というかもうかれこれ数か月前から可笑しいのだ。

皆から、意味もなくい.じ.められるようになった。
少し前までは避けられるだけだったのに、つい数週間ほど前からついに暴力に発展してしまったのだ。

可笑しい、だって私は何もしていないのに…。
自分じゃない誰かが、自分じゃない【自分】が動いている恐怖と底知れぬ気持ち悪さを感じる。

可笑しな点はもう一つある。

仲のいい友達が、相次いで深手の重症や最悪死に至っているのだ。
転校したり学校帰りに事故にあったり…。おかげで私は死神扱いだ。
学校へ行くと恐怖が私を支配する。家へ帰っても両親には何も言えず、次第にご飯は喉を通らなくなっていく、夜も眠れず、不眠、栄養失調。
このまま私の身体が限界に達するのが早いか、それとも心が壊れるのが早いか。
限界が来るのは早かった。

いつも通り暴力の雨。降ってくるのものは拳、怒声、何かの死骸。
いつもと違ったことは放課後に誰も立ち寄らない旧校舎へ無理矢理連れて行かされたこと。
旧校舎の一室、無理矢理入らされたその教室で私を待っち受けていたのは下品な笑みを浮かべた男子生徒数名、見たところ年上も居る。これから、何をされるか瞬時に理解する。

『助けてっ…！いや…やだ…こわい…。』

否定の声は男たちの声、破かれる服の音で掻き消される。

あ。

気持ち悪い。気持ち悪い。

一人の男の手が素肌に触れる。

いやだ。

でも。もうどうにもならない。

諦めてせめてみないように目を閉じたとき。ガラッと音を立てて教室の扉が開く音がした。






「何してんの。」




先輩だ。私の憧れの先輩の声がする。


あぁ、見られてしまった。

「えっ、なんでお前がこんなとこに…っ。」

os「なぁ、聞こえんかった？何してんのって聞いてんねんけど。誰が質問に質問で返せって…？」

目をぎゅっと閉じていても分かる威圧感。
先輩は、怒っている。
こんな私のために、怒ってくれているのだ。

なんて、優しいのだろうか。

先輩はいつも、私が怪我をしていると真っ先に気づいてくれて手当をしてくれる、隠していてもバレてしまう。

まるで神様のような人だ。

次第に肌に触れていた気色の悪い感触は消えていった。

そっと、頬を何かが優しく包み込む。

os「もう、目ぇ開けてええで。」

"　→

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