愛せない人、愛する人［光秀］ (ページ1)

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明かす本心ページ1

A「私、謙信のもとに行くわ。」

信長「･･･戦を防ぐためには、

それしかないか･･･。」

光秀「お待ちください。

あの戦狂いが、Aを帰しただけで

軍を引くとは思いませんが。」

秀吉「この書簡も、

おそらく信玄の字だろう。

名前は上杉謙信になっているけどな。」

政宗「どっちにしろ、戦にはなるな。」

家康「Aは、どうしたいの。

戦は必ず起こる。

あんたがどこにいたいのかだよ。」

三成「私たちは、

A様にいてほしいと

心より思っております。」

A「私･･･は･･･。」

もちろんここにいたい。

だけど、愛してしまったから。

彼が愛してくれるから。

私はここにいるべきではない。

A「･･･それでも、

謙信のもとに行くわ。」

信長「･･････そうか。」

光秀「行くな。」

A「･･･っえ、んっ！」

三成「み、光秀様･･･。/////」

皆が見ているのも気にせずに

深く口付けされる。

引き留めた腕は

私の身体をきつく抱き締め、

離すまいとしていた。

秀吉「あいつが･･･っ？」

信長「本心を口にするとはな。」

A「･･･っ、みんな･･･んっ･･･

見てる･･･んぅっ･･･。/////」

家康「うわ･･･。/////」

政宗「なかなかやるな。」

やっと離れた唇からは、

透明な糸が紡がれる。

光秀「愛している。

俺は･･･お前に側にいてほしい。」

A「･･･私だって、

愛してるわ･･･。」

光秀「では、なぜ離れようとする？

何故、躊躇う。」

A「そ、れは･･･。」

信長「お前の事だ。

自分の存在が犠牲を生むとでも

思っているのだろう？

自分がいることで、

戦が起こると。」

A「･･･っ！」

家康「さっきも言ったでしょ。

あんたの存在がどうこうなんて

なくたって、戦は必ず起こる。」

光秀「俺はお前に本心を

見せると約束した。

お前は、どうしたいんだ？」

A「私も･･･光秀の側にいたい。

ずっと、みんなのもとで

過ごしていきたい。」

信長「ならば、ここにいるがいい。」

秀吉「あー、ひとつ言っておくか。

俺たちにとって、お前の存在は

“力”で、“希望”だ。

お前がいることで、

俺たちは刀を振るえる。」

三成「そのとおりですね。」

政宗「さて、そろそろ夕餉の

準備をしねえとな。」

A「あっ、私も･･･つ！」

光秀「お前はこっちだ。」

私は彼に捕らわれてしまった。