愛と哀２【約束のネバーランド】

アイが８７つ ページ40

レイside
　
ドン「鬼...農園...？エリーが裏切った後は...レイがスパイかよ？」

ノーマン「僕達のためにね」

ノーマンが言ったのは俺だけか、はたまたエリーも含んでいるのか


ドン「じゃあレイは、あの日コニーがどうなるかわかってたのか

エマとノーマンは俺達を敵だらけの世界へ
騙して連れて行こうとしてたってわけか...

エリーは最初から俺たちを見捨てる気だったのか」

違う、エリーだって俺らを生かすために...

喉まで出掛けた言葉をグッと飲み込む

抑えろ、俺がエリーの努力を踏みにじってどうする

ドン「ハッ、アハハ ハハハッ！ふざけんな！」

『ノーマン！！』

エリーの声が響き、鈍い音と共にノーマンが吹き飛ぶ

怒り狂ったドンが殴ったんだ


レイ「おいドン！」

ドンをどうにかしようとするも、俺もノーマンに続き殴り飛ばされた


勢いそのままに今度はエマの方向へ向かっていく

エマ「っエリー！！」

エリーがエマの自分の後ろへ庇ったのが見えた

ドンの伸ばした手はそのままエリーの胸ぐらを掴み上げる

『かはっ』

身長差があるせいでエリーは少し宙に浮き、気管が締め付けられているのか苦しそうに顔を歪ませる


レイ「ドン！やめ「その手を離せ」


俺が制止する前にドンの手首を掴んだのは、滅多に無いほど怒った顔をしているノーマンだった

それに驚いたのは俺だけじゃないようで、ドンは大人しく手を離し、よろけたエリーの腕をノーマンが掴んだ


ギルダ「ドン」

ドン「そんなに"荷物"なのかよ...

そんなにお前らにとって俺達は

"守ってなきゃ何もできない弱者"なのかよ

嘘つく理由くらいわかってるよ

全て俺達を守るため...だろ？」


エマ「...っ」

ドン「けどさ...あの時助けてって、頼ってくれたんじゃねぇのかよ

悔しいっつーか、惨めっつーか、俺達はお前らみたいに出来はよくない

よくないけど...家族だろ、兄弟だろ...

少しは信じてほしいんだよ！」

少し頭を冷やしてくると言って出ていったドンを追うようにギルダも外へ出た


二人がいなくなった食堂は先程の事が嘘のように静まり返る


『ノーマンもういいわ、腕を離して』

よほど強く掴んでいたのか、ノーマンの手が離れた後もエリーは腕を擦っていた


『これはあの子達を信じずに嘘を着いたが故の結末よ

ちゃんとなさい

貴方達がそんなんじゃ全員ここで死ぬ』

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