愛と哀２【約束のネバーランド】

アイが８１つ ページ34

レイside


ママ「遅かったわね」

レイ「ノーマンと話してた」

ママ「それで標的は？」

レイ「特に変わりなし

鬼ごっこ訓練に夢中

それよかあの補佐、また動き出した

気を付けた方がいい」

ママ「そう」


ママは相変わらず冷たい目をして俺を見下ろしてくる


これが何人もの子ども達を死へ導いた奴か


レイ「補佐なんて呼ばなきゃよかったのに

アレ、俺への抑止でしょ？

ぬかりがないのはいいけど、悲しくなる

6年ママに尽くして、未だ警戒されているとはね」

ママ「万一のためよ

あなたのこの6年間の働きは素晴らしいわ

信用している

でもそもそもあの日あなたが、ちゃんと機能していればこんな事態にはなってないのよ

まさかあなたが留守番の一つも満足に出来ない
無能犬だなんて思ってもみないじゃない」



残念というように薄ら笑いを浮かべた

毎度この関係で話す時は気が抜けない


ミスったら即アウト

俺も出荷行きだ


レイ「悪かったよ、だから挽回したろ？

内通して大切な奴も親友も売ったし

シスターの不穏も逐一教えてる

報酬はキッチリ貰うよ」



ママ「勿論よ "取引"だもの

今取り寄せてる
いつも通りあと2〜3日で届くわ」



それだけ確認するとさっさと部屋を出て寝室へ向かう


いつだっただろう、エリーを大切にしたいと思い始めたのは

でも気づいた時には隣にあいつがいた


もう少し気づくのが早ければ、エリーの隣にいられたのは俺だったのか？

もう少しあいつより気持ちを伝えるのが早ければ...


あぁ、ダメだ

ネガティブな方向にばかり考えている


後悔しかしていないじゃないか


救える命は限られてる

それがこの世の"現実"だ


強行突破で脱獄しようななんて抜かしてみろ


俺はエリーと二人で逃げる


お前らを置いて

エリーが何と言おうと


腕を引っ張ってでもあいつが生きられる道へ


他のやつらが死んでも、二人でいられたらそれでいいと思う俺はもう狂っている


こんな場所にずっといたんだ

そりゃ頭もおかしくなるか



でもまだ安心してはいられない


裏切り者になったエリーを支えられるのは俺だけなのだから

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