愛と哀２【約束のネバーランド】

アイが７７つ ページ30

ノーマン「実際レイはいつからママのスパイだったの？」


レイ「ずっと前から」

ノーマン「！スパイに限らずママの手下だったのか」


監視...保安...商品の向上...

レイはママが家畜を統制する上で望む方向に内から誘導する装置


レイ「そう
要は羊飼いにおける牧羊犬(イヌ)さ


何食わぬ顔で家畜(ヒツジ)のフリをして
何年も、ずっと...

エリーも...？


こんな近くにいながら何故気づけなかったのか

過去の自分に嫌悪するももう後の祭り


ノーマン「...装置もスパイもレイ1人だよね？」

レイ「あぁ」

ノーマン「全部知っていて農園ママに加担してきたってわけ」

レイ「あぁ」

ノーマン「全部嘘だったの？

ママに何をどこまで話した？

発信器は壊せるんだよね？」


せめて...せめて他の子達を逃がせれば...


レイ「それ聞いてどうする？ 返答次第で俺を切るか？」


ノーマン「切らないよ

レイには今まで通り僕らのそばにいてもらう

"レイを通して制御できている"

それでママが僕らの即出荷をしないでいるなら

レイを手放すのは僕らにとってシンプルに危険だもの

よかったね君はイヌを隠し通せる

ドンに濡れ衣を着せてまで 内通続けたかったんだろう？」


エリーと違って、その言葉を紡ぐことはなかった

エリーだって、今も僕の隣に居て欲しかった


でも選んだ選択が違った

ただそれだけで、今まで作り上げてきたものを全て壊されたような気がした


レイ「...何が望みだ」


ノーマン「3つ
１、今まで通り僕らのそばにいて、僕らの安全を保証さること

２、レイが持っている全情報の開示

３、寝返って、今度は僕のスパイになってよ」


最後の言葉でレイの顔色は変わった


レイ「馬鹿かお前

最初からそれが目的なら黙って敵を利用すべきだ

脅しだの交渉だの余地は一切与えるべきじゃない

有無を言わせず利用していざ決行で切り捨てる

そっちのが確実だろ」


ノーマン「そうなんだけどね」

エマも同じだったけど、裏切られる前、エリーも言ってたんだ

「連れていく」

二人とも迷わず答えたよ

ちゃんとその子を信じているんだ

アイが７８つ→←アイが７６つ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す