魔法使いの違う世界【ツイステ】

31話 ページ33

｢ここ、座ってもいいかしら｣



｢げっ、ヴィル･シェーンハイト……｣



｢寮長でしょ？

言葉遣いも直しなさい｣



｢私もいいかい？｣



｢ルーク先輩もいらしたんですね

どうぞどうぞ｣



Aとエペルは少し詰めて先輩たちのスペースを空ける。



ヴィルはAの持ってきた食べ物を見るやいなや、眉をひそめる



｢ちょっと、アンタ

もっと野菜を食べなさい｣



｢午前中に疲れていたので肉多めです

疲労回復にはお肉です｣



ほうばりながらそう言うと



｢まるでリスのようだね｣



と微笑みながらルークに言われた。



そう言えばハリーにもそんなこと言われた。



入学式が終わってしばらく経ったある日、たまたまハリーの隣に座ってお昼を食べていた時に｢君は冬眠前の食料を運んでるリスだね｣と言われたのだ。



初対面で。




いつも通りに食べているつもりだったが、変だったらしく少し笑われた。



ロンには｢食べ物に飢えてるの？｣と聞かれ、お腹すいてたからと答えた記憶がある。



ハーマイオニーには｢この食べ方が汚いからやめなさい｣って言われて、口を拭かれたっけと思い出にふけていると、ルークがAの顎をもち視界がルークの顔だけになった。



｢口にソースがついているよマドモアゼル

これでは美しくない｣



とナプキンで口を拭かれる。


｢すみません｣



と謝りながらも少し嬉しそうなAにルークは不思議な顔をするが、すぐに笑顔になった。



｢そう言えば、Aがいたところはどういう学校だったの？｣



ヴィルに注意を受けていたエペルが話を逸らしにきた。



｢アタシも興味あるわ、聞かせて｣



三人の目が少し輝いているのを見たAは、話さないと面倒なことになりそうだと思い話し始めた。

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