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「うは〜......このまま寝てぇ〜.........」
アーサー「おい、シャワーくらい浴びてこい」
「めんどい〜......アーサー起こしてくれよ〜」
アーサー「ったく、だから横にはなるなって言ったのに......」
俺が寝転がったまま腕を伸ばすと、よいしょ、と引き上げてくれる。
............力あるな。
こういうところで改めて男の人の力の強さを思い知る。
「どうもですー」
アーサー「なんか相変わらず好き放題だな、お前は」
「いいじゃんか、アーサー相手だし」
アーサー「......まぁな」
「ほんじゃ、めんどいけどシャワー浴びてくるか............」
アーサー「A」
「なんだ?」
アーサー「ちょっとこっち来い」
「え...?」
今だって割と近距離で話してるのに、どういうこと?
と、思いつつ、ベッドに腰かけているアーサーの隣に座ってみる。
アーサー「......もっと近く」
「え、これが限界かと思うんだが」
アーサー「ばかだな、まだ近くがあるだろ」
そうして、手ぶりで膝の上に来い、と伝えられる。
.........は!?
「な、なんで」
アーサー「いいから......」
「不安定だろ」
アーサー「ん」
これならいいだろ、と言わんばかりに足を広げる。
なんでだろう、物凄く恥ずかしくなって目をそらしてしまう。
アーサー「早く」
「......もうっ」
言うことを聞かないとさらに面倒くさいことになりそうだったので、ちゃんとアーサーの脚の間に入って座ってみる。俺は結構良い子なのだ。
「背中向けてると何されるかわからなくて怖ぇ」
アーサー「怖がるようなことはしねぇよ.........」
息が少しかかって恥ずかしいけれど、
大好きなアーサーの声が耳元で聞こえてなんだかほっとする。
しかしほっとしたのも束の間。
かなりの強さで抱きしめられる。全く逃げられそうにない強さだ。
......別に、逃げはしないけど。
「ちょ」
アーサー「......小さいなぁ......」
「............胸がですか」
アーサー「ばっ、ち、ちげぇよ、いや、ちがくねぇか?」
「余計なお世話なんだよ!」
アーサー「自分で言ったんじゃねぇか.........俺は、腕に簡単に収まっちまうくらい小さいな、って言ったんだよ」
「.........アーサーが大きくなっただけだろ」
アーサー「.........そうかもな...............」
「ん...?アーサー......?」
気のせいかな、
涙声に、聞こえる。
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作者名:如月鈴波 | 作成日時:2018年6月8日 22時