甘々な避難場所。２【短編集】

ツンがほとんどを占めていますが。【青】 ページ16

｢ね、ころんくん｣

｢なに……うるさいからどっかいって。僕今集中してるから｣


冷め期かと疑ってしまうほど、私の彼氏は塩対応____否、ツンデレだ。

塩対応とツンデレの違いといえば、『デレ』があるかどうか。


彼にはごく稀にそれがあるから 私たちは続いているようなものだ。

ちなむほどでもないが、『デレ』は滅多にこない。冷たくされるのは好きではないので、なかなかキツいものがある。

でも、随所随所で 私のことが好きだと匂わせてくれるから、少しの安心感は与えてくれているような気がする。


｢ねぇころんくん……｣

｢なに、だからどっかいって｣

ソファに座って、小さな電子機器に熱中しているころんくんに、さらに詰め寄る。

せっかくふたりきりなのに。


｢……もういいもん。あっちいっちゃうよ？｣

｢僕のためにありがとー。ようやく静かになるわ｣


私がソファから立ってなお、｢あースッキリした｣などと呟いているころんくん。

憎たらしいけれど少し可愛いな、なんて思ったり。


ああやって言ってしまったから、しばらくは彼の元へ戻れない。

そうなってくるとやはり寂しい。なにをしようかなと考えていると____、

｢あ、そうだ｣

最高の仕返しを、思いついてしまった。

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