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君に、ようやく想いを伝えられた。
君は少し驚いたような声を漏らし、僕は顔を上げられない。
ねぇ、僕の気持ちをどう受けとった?
「……私にもね、好きで好きで、大好きでたまらない人がいるの」
君から発せられた言葉は予想外だった。
意図がよく分からず 顔を上げて君の方を見つめていると、君ははにかんだ。
「真面目で、頑張り屋さんで。かわいいんだけど、たまにかっこいいところがあってね、すぐその人のことを好きになっちゃったんだ。あ、惚れっぽいとかじゃないよ?でもね、それくらいかっこよくて……運命だ って 特別だ ってずっと思ってた」
君は冗談めかして、けれど真剣さも含ませてそう言った。
僕は君が好き。でもなんで君の好きな人の話を聞かされているのだ。
もうこれ以上聞きたくない、というのが本音だった。
顔を下に向け、君に表情が見えないようにする。きっと酷い顔をしているから。
「それでね、ずーっとその人のことが好きなんだけど、会えなくて」
そうか、Aだけ地方の学校に進学したから 同じ学校の人なら会えないだろう。
……だから、なんなんだ。
僕を振りたいのなら、はやく____、
「だから、急に会いたくなって____来ちゃった」
瞬間、体温が交わされる。
君の柔らかい唇が僕の唇に触れたのだろう。
その事実が信じられなくて。
名残惜しそうに離れていく唇は、お互い熱を帯びている。
「私も好きだよ、るぅとくん」
「ぁ、Aっ……」
感極まって、また君を抱きしめた。
「私の初めてるぅとくんにあげちゃった」
「……え、もしかして」
「ずーっと、待ってたんだよ?6年間も」
____微笑む君は、向日葵のように輝いていた。
あの日のノートに、今日の日のことを付け足しておこう。
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大遅刻6周年おめでとう回です。
気付いている方は気付いているかもしれませんが、とあるお話とリンクしています。よかったら探してみてください。
なかなか新作が納得のいく仕上がりにならないんですよね。記憶喪失(赤さん)か、防御力(黄さん)か、9歳差(桃さん)、その他様々な選択肢があります。迷います笑
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虹の根元付近に生息しているアイ(プロフ) - 蝉-セミ-さん» 蝉さんありがとうございます!!私の書く💛さんの良さを分かっていただけて嬉しい限りです😭これからも喜んでいただけるよう更新頑張ります!笑 (2022年10月15日 12時) (レス) id: 98cb88ece4 (このIDを非表示/違反報告)
蝉-セミ-(プロフ) - 久しぶりに占ツクにきたら短編集更新されてて嬉しかったです。やはりアイさんの書くちょっと大人っぽくて意地悪な💛くんが好きですw🤣 (2022年10月15日 1時) (レス) @page35 id: 19d8717651 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根元付近に生息しているアイ(プロフ) - わっふるのとっぴんぐさん» 返信遅くなり大変申し訳ありません!そう言っていただけて本当に嬉しいです、モチベーションになります…😭 ありがとうございます! (2022年10月12日 20時) (レス) id: 98cb88ece4 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根元付近に生息しているアイ(プロフ) - みぃなさん» 返信遅くなり大変申し訳ありません!私は後遺症もなく元気です☺️ ご心配ありがとうございます( ; ; ) (2022年10月12日 20時) (レス) id: 98cb88ece4 (このIDを非表示/違反報告)
わっふるのとっぴんぐ(プロフ) - コロナ大丈夫でしたか!?!?もうこの短編集最高すぎて…!!主さんのペースで更新がんばってください!(*´`) (2022年8月10日 17時) (レス) id: b8d201f8af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ x他1人 | 作成日時:2022年3月29日 22時