甘々な避難場所。２【短編集】

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｢えっちなシーンは終わったよ｣


｢よかった、じゃあ……｣



言外に『離して』と伝えたが、一向に彼が動く気配はない。


それどころか余っていた腕を私のお腹に巻き付けている。



｢えっと、るぅとくん……？｣


｢この体制、支配感強くていいなって思って。しかもAの視界も僕が支配してるし｣



え、と声を漏らす間もなく、ソファに押し倒される。


ずっと手による目隠しを外してくれず、視界が真っ暗だから彼の表情もわからない。


そしていつの間にかテレビから音はしなくなっており、静寂の中 私と彼の微かな呼吸音が響く。



｢同棲してるとさ、時間気にしなくていいからいいよね｣


｢や、それは気にして……？｣



言うと、彼の手が退けられ 視界が明るくなっていく。


｢最近、同棲しはじめてからあんまりしてくれないよね。僕寂しかったなぁ｣



そう、それなんだ。


同棲し、はじめてしたときは 時間制限がないからか 彼も歯止めが効かなかったようで、それはまあ大変なことになってしまった。


だから色々理由をつけて断った日も少なくなかったのだが、そのツケが今になって回ってきたのだろう。



ようやく見えるようになった彼の表情はどこか熱っぽく、目を細め 私の隙を虎視眈々と狙っている。


ロールキャベツ系男子というやつだろうか。まったく、油断も隙もない。



｢る、るぅとくん、一回までにしようか｣


｢やだ。いっぱいしたい。だめ？｣



可愛くそうねだられれば私が怯むと知っているのか、自身の可愛さを駆使しておねだりするるぅとくん。


その可愛さに否定も肯定もできないでいると、



｢無言は肯定って知らないんだぁ？｣



言った途端、彼の舌は貪るように口内を掻き回した。



｢っん、お風呂、入るから……ぁ｣


｢一緒に入ろうね？｣



彼は口を離し、私を横抱きにして お風呂場へ直行。


意外と腕力あるんだな、と感心する余裕もない。きっと終わらない と恐れおののくだけだ。



脱衣所で私を降ろし、｢準備があるからちょっと待ってて｣とその場を後にしたるぅとくんを見送り、服に手をかける。


こういうとき、やっぱり同棲していてよかったと感じる。


まぁ、彼が持ってくるものといえば十中八九アレなのだろうけれど。



｢____ん、お待たせ｣



にこやかな笑顔のるぅとくんに、今夜はろくに寝られないだろうな、と悟った。



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