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食堂に着くと、堂々と座っているさとみ様が視界に映りこんだ。


どうやら、莉犬様たちはまだのようだ。



「お、ジェル」


「おはよ、さとちゃん」



寝起きのふたりは若干ふわふわしているが、それも少し可愛い。


このまま三人で過ごせたらな、なんて____



「ちょっと、るぅとくんもころちゃんも待ってよー!」



莉犬様の嘆くような声が遠くから聞こえてくる。

そしてそれに伴って、上質な床を力いっぱい蹴っているような音も。



「おい、るぅとくん走っちゃダメだぞ……!」


「ころちゃんに言われたくないですー。ころちゃんだって走ってるじゃないですか」



「はぁ?!」と 先程の莉犬様の声よりも少し近くで声が響く。


……会いたくない。


莉犬様は気を使ってくれたんだろうが、彼らはそんなのお構い無しに食堂に駆けてくる。



来るな、来るな と私が念じているのを心配そうに見つめているのがジェル様で、その隣では さとみ様が心底退屈そうに頬杖をついていた。



今更逃げも隠れもしない。


でも逃げたいし隠れたい。


そんな複雑な心境の中、来るなと念じていた瞬間は訪れるのだった。



「……さとみくん、ジェルくん おはようございます。Aも」


「あっ、Aおはよー」


「お、おはようございます」



意外と普通。そんな感想が真っ先に浮かんだ。


ふたりとも思ったよりは普通で、気を使ってくれているのか分からないが 変な空気にはならなさそうで一安心。



一安心したところで、調理場へ行き お盆に乗せて朝食を運ぶ。


6人分だとさすがに手では運べないので、テーブルワゴンのようなものに乗せて運んでいる。


見ると皆様ちゃんと着席しており、ちょっぴり感動した。


いつもなら「ちゃんと座ってください」と注意しているところなのだが。



「おっ、おいしそー」


開口一番褒めてくれるのは、いつも安定して莉犬様だ。


彼の優しさやさり気ない気遣いには救われるところが多い。



「なー」とニコニコした顔でそれを肯定しているのはジェル様。


彼もとても優しく、ムードメーカーでもある。たまに反応に困るギャグもあるのだが、そんなのを打ち消せるくらい彼は性格がいい。




彼らの前にお皿を置くと、各々食べ始めた。


それを見守りながら、私は朝ごはんは何を食べようかな……なんて考える。


後で残りを食べることにしよう。


そして他には____




「____あの、少しお話があるんですが」

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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» こちらのほうでもコメントありがとうございます(T T)  以前もらった泡糖さんのコメントが本当に嬉しく、今でも活力になっているので またコメントくださって嬉しいです💕 これからも更新頑張ります! (2022年3月4日 21時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡糖(プロフ) - 更新ありがとうございます!今回も読んでいて楽しかったです! (2022年3月4日 21時) (レス) id: eaad00c70c (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん 本当にいつもコメントありがとうございます✨ 大丈夫ですよ!笑 あれは完全にゴキブリを意識してます、気づいていただけて嬉しいです……笑 (2022年2月10日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - カサカサ…でゴキブリだと思ってしまった私は末期ですね(遠い目) (2022年2月10日 0時) (レス) @page25 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん いつもありがとうございます!! 切り方もお誉めもいただき光栄です……ありがとうございます(T T) 今後の展開に乞うご期待です!笑 (2022年1月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2022年1月13日 18時

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