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「ど、どこまでって……」


どこまで、と言われたって何もなかった。


お腹を触られた、というのはあるがそんなの王子様だってするだろう。




「はぁ。答えてくれないんなら別にいいですけど。あのとき僕についてきて、一緒にホテルに泊まっていたら____」



「もっと気持ちよくしてあげたのに」




妖艶な笑みを刻み、そう囁く彼。


刹那、待ってましたと言わんばかりに私をソファに押し倒す王子様。


彼は私の上に馬乗りになって、押さえつける。


これはさすがにまずい、とこの一ヶ月で何度も抱いた感情が脳内に蔓延る。


「ね、ころちゃんにどこまでされたの?」


「や、されてな……」



光の入らない瞳でそう問う彼には恐怖しか感じなかった。


よほど嫉妬に狂っているのか、私の手首を捕らえる力は相当なものだ。



私は王子様の気持ちがわからない。

好きでもないのならこういうことはしないでほしい、と思っているがそんなことを伝えるチャンスも勇気もない。

今は恐怖におののいているだけで精一杯だ。



「口止めされたの?……ころちゃんがいいなら僕もいいよね」


「ほんとにっ……なにもなかったです……」



ただただ、自分の無罪を主張するしかない。


でも、どんなに無罪を主張したって判決を下すのは目の前の彼なわけで。



「____ほんと、どうかしてるよね」




彼の言葉は誰に向けられたものなのかは定かではない。


だが、その言葉を皮切りに 彼は私の服に手をかけた。


蔑むような目で、なにかを失ったような目で。



「やだ……やめてくださ____」


嫌だ。


頭の中はそんな単語一色になっていて、気がつけば涙が溢れていた。



「あ……ご、ごめんなさい、僕____」


理性を取り戻したのか、王子様も私が泣いたことに対して慌てふためいていた。


私も余裕がなく、彼の謝罪に応じる暇もない。


「すみません、帰ります。____好きでもない人に、ましてやメイドに。

あんなこと……に、二度としないでください」


泣いて、脳内がゴチャゴチャになっていた。


思ったより強く出てしまったかもしれない。


本心だが、本心ではない。



昨日のお出かけで、少し彼を意識しすぎたかもしれない。


それはメイドと主という主従関係を踏み越えたものだと、自覚はしていなかったが。



「待って、僕は____」



その言葉の先を、どうしても聞きたくなかった。


遮るように扉を閉め、廊下を駆け出す頃には顔が涙でぐちゃぐちゃになっていたのだった。

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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» こちらのほうでもコメントありがとうございます(T T)  以前もらった泡糖さんのコメントが本当に嬉しく、今でも活力になっているので またコメントくださって嬉しいです💕 これからも更新頑張ります! (2022年3月4日 21時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡糖(プロフ) - 更新ありがとうございます!今回も読んでいて楽しかったです! (2022年3月4日 21時) (レス) id: eaad00c70c (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん 本当にいつもコメントありがとうございます✨ 大丈夫ですよ!笑 あれは完全にゴキブリを意識してます、気づいていただけて嬉しいです……笑 (2022年2月10日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - カサカサ…でゴキブリだと思ってしまった私は末期ですね(遠い目) (2022年2月10日 0時) (レス) @page25 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん いつもありがとうございます!! 切り方もお誉めもいただき光栄です……ありがとうございます(T T) 今後の展開に乞うご期待です!笑 (2022年1月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2022年1月13日 18時

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