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事の発端となったときにも平等がどうとか言っていた気がする。
私にとってはどうでもいいことであり大切なことだ。
「ま、そういうことです。いつから と 誰から は……希望あります?」
「強いて言うとしたらこの件をなかったことにしたいです」
せめてもの反論をすると、王子様はやれやれと苦笑した。
「もう決まったことなので、そこはノータッチで。特に希望がないんなら適当に……明日の朝のお楽しみです」
「え、明日からなんですか」
「思い立ったが吉日って言うじゃないですか。それなら今日なんですが一日くらい猶予があってもいいかなって」
ふふん、と自身の優しさをアピールするように私に指を突きつけてくる王子様。
本当に人の心を持っているのならそんな案は出さないはずなのに。
確かに私が誰にするか、または選ばないか 選べないという状況に考慮してくれたのかもしれない。
でもやはり嫌なものは嫌だ。
「なかなか腑に落ちてなさそうな顔ですね」
「……はい、本当に平等なら私にも選択する権利くらいあっても」
「____言ったでしょ、Aのためって。優柔不断なAのために、僕は動いたんです」
これ以上話しても平行線ということはお互い分かっているからか、それから話が続くことはなかった。
が、
「____あ、その服返すんですね、僕が返しに行ってあげますよ」
「でも……ぁ」
「いいんです、僕が行くので」
問答無用で胸に抱いていた服をひったくるように奪われ、急に物理的に胸元が寂しくなる。
「では。しっかりころちゃんにも返してきますね?Aは掃除でもしていてください」
「え、あの」
無駄に広い部屋に、重々しい音が反響する。
……またしても何も言わず、彼は去っていったのだった。
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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» こちらのほうでもコメントありがとうございます(T T) 以前もらった泡糖さんのコメントが本当に嬉しく、今でも活力になっているので またコメントくださって嬉しいです💕 これからも更新頑張ります! (2022年3月4日 21時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡糖(プロフ) - 更新ありがとうございます!今回も読んでいて楽しかったです! (2022年3月4日 21時) (レス) id: eaad00c70c (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん 本当にいつもコメントありがとうございます✨ 大丈夫ですよ!笑 あれは完全にゴキブリを意識してます、気づいていただけて嬉しいです……笑 (2022年2月10日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - カサカサ…でゴキブリだと思ってしまった私は末期ですね(遠い目) (2022年2月10日 0時) (レス) @page25 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん いつもありがとうございます!! 切り方もお誉めもいただき光栄です……ありがとうございます(T T) 今後の展開に乞うご期待です!笑 (2022年1月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2022年1月13日 18時