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「ぁ____」



少しずつ意識が戻ってきたようだ。



それでも、まだ水の中にいるような 混濁した意識だが、目は覚めた。



「____あ、起きた?」




「りいぬさま……?」




ふかふかのベッドに寝かされている。これは私の部屋の備え付けのベッドではなかった。
ということは莉犬様の部屋にいるのだろうか。



____そして、その私になぜか跨っている莉犬様。

何時間寝たのかは分からないが、だいぶ日も落ちてきて 月が出ていた。



「あ、の」


……徐々に意識が戻ってきた。

八割くらい考えられるようになり、この事態が普通じゃないことも分かってきた気がする。



「____今日、世界でいちばん可愛いAをちょうだい?」



窓から差し込む月明かりに照らされて 莉犬様の瞳は輝く。


ゆらゆら揺れると左右非対称な色の双眸は、まるで狼のようだ。



「待ってください、どうして」



身体を起こそうとするも、うまく力が入らずに スプリングのきいたベッドに身体が沈む。



「俺ね、結婚もそうだけど Aがほしいの。一刻も早く俺のものになってほしいの。……だから、ごめんね」



彼はそう言い放ち、私の襟に巻かれた 赤いリボンを(ほど)き始めた。




脳は警報を出しているのに、身体は動かない。


恐怖に打ちひしがれていると、その様子を察してか 彼はこちらを見やった。



「大丈夫、最後まではしないから」



無理やり肩を押され、更に身体は沈んだ。



少しはだけた首筋に、彼はゆっくりキスを落とす。



はじめて覚えた感覚に頭が爆発しそうだ。




「も、無理です……っ」


そろそろ本当にまずい。


首筋に唇を押し当てられる度にぞくぞくして、このままだと流されてしまいそうだからだ。



「あんまり煽んないで?俺 抑えてるほうだから」


彼はそう言い、先程キスしていた首筋よりもちょっと下の、鎖骨あたりに吸い付いた。



「あっ……?!」



ちく、と小さな痛みが走り、彼は唇を離す。



「……思ったより独占欲満たされるね。ね、もっと付けていい?」


「無理です……!」



押し問答が繰り広げられていると、部屋の扉が音を立てて開いた。



「____莉犬くんー、借りてたぬいぐるみ返しにき……?!」

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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 菜々志さん» 菜々志さん ありがとうございます嬉しいです;; (2022年2月19日 11時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
菜々志(プロフ) - 高評価をもっと押させてくれぇぇぇ!!!ww (2022年2月19日 8時) (レス) @page7 id: ec6dd9f0aa (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に作者冥利に尽きます……(T T) 体調にも気を配りながらこれからも更新頑張ります! (2022年1月15日 15時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - こんなに面白いと思った作品は初めてです…!体調にお気を付けて、そして更新も無理せず頑張ってください! (2022年1月15日 12時) (レス) @page50 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» コメントありがとうございます!わたし的に小説を書いていていちばん嬉しいお言葉、本当にありがとうございます…(泣 ) 最近寒いですもんね、体調に気をつけながら更新頑張ります!泡糖さんも体調を崩されませんようにお過ごしください✨ (2021年12月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2021年11月24日 21時

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