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「____ん……」
窓から差し込んでくる朝日の眩しさに目を細める。
カーテン、閉めて寝たはずなのに……
「おはよ」
ああ、やはりこの男だったのか。
もうこれも習慣と化していて、さとみ様もよく毎朝飽きずに来るなぁ。
なんてぼんやりとした頭で考える。
すると、とてもいい匂いが鼻腔を掠めた。
「ルームサービスでちゅよー。おねむなAのために俺が作ったんでちゅからね」
彼の手にあるトレーの上を見ると、美味しそうなオムライスが乗っていた。
「わあ……!オムライス!」
「いつもポーカーフェイスなAも喜びを隠せないでちゅねー」
にや、とこちらを挑発するような瞳を向けてきたが、そんなことよりオムライスだ。
「あ、もうこんな時間だしみんなは各自で朝ごはん食べたから」
彼はそっと 小さな机にオムライスを置いた。
時計を見ると、9時を回っていた。
「すみません、ありがとうございます……」
さとみ様のさりげない気遣いが嬉しい。
「冷める前に食べてね」
「はい、いただきます」
オムライスの上には、可愛らしい犬がケチャップで描かれていた。
そしてプレートには『わんわんおむらいちゅ!』と文字が。
「……あの、これ」
「あー、上だけ莉犬が書いたの。俺が書いても上手くいかなくて」
ケチャップで描かれた犬をよく見てみると、少し莉犬様に似ている気がした。
口に運ぶと、私が作るよりも遥かに美味しいオムライスだった。
「おいしい、おいしいですこれ」
「ほんと?じゃあまた作ってあげる」
もぐもぐ食べる私を頬杖をついて見守るさとみ様。
……ずっと見つめられて、スプーンが進まない。
「……ケチャップついてる」
唇の横を確かめると、指にケチャップがついた。
ティッシュに手を伸ばした
「まって」
「なにをです、か……っ?!」
急接近する顔。
____ぱっちりとした、蠱惑的な瞳に吸い込まれそうになった。
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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 菜々志さん» 菜々志さん ありがとうございます嬉しいです;; (2022年2月19日 11時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
菜々志(プロフ) - 高評価をもっと押させてくれぇぇぇ!!!ww (2022年2月19日 8時) (レス) @page7 id: ec6dd9f0aa (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に作者冥利に尽きます……(T T) 体調にも気を配りながらこれからも更新頑張ります! (2022年1月15日 15時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - こんなに面白いと思った作品は初めてです…!体調にお気を付けて、そして更新も無理せず頑張ってください! (2022年1月15日 12時) (レス) @page50 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» コメントありがとうございます!わたし的に小説を書いていていちばん嬉しいお言葉、本当にありがとうございます…(泣 ) 最近寒いですもんね、体調に気をつけながら更新頑張ります!泡糖さんも体調を崩されませんようにお過ごしください✨ (2021年12月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2021年11月24日 21時