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「____僕と、結婚して?」
「……はい?」
一体なんの話だ。
全く脈絡が読めない。
結婚?なにかと間違えているでは……なんて脳は現実逃避したがっている。
「だから、僕と結婚してください。貴方もそれなりに着飾ればお姫様に見えますよ。馬子にも衣装です」
「な、なんの話ですか。いきなりなんなんですか。結婚?それとどさくさに紛れて罵らないでください」
メイドと王子様が結婚?私も王子様も好き同士ではないよね?私が一国のお姫様に?
疑問がありすぎてどうにかなりそうだ。
というより、まず断ろう と思い口を開いた。
「すみません、それはあまりにも急ですし、お断りさせていただきます」
自分でも焦っていて、言葉遣いも上手くいかない。
すると、ころん様が口を開いた。
「……僕は、Aのこと好きなの。だからAは僕と」
あ、朝のあれってやっぱり本気だったんだ、なんてあまりにも場違いなことを考えてしまう。
というか本当に話が読めない。
「____ころちゃん、貴方は僕の側近ですよね?僕がAを選んだんです」
「まぁまぁ、二人とも落ち着いてよ。そもそも、るぅとくんは 誰かを妻にしないと国王になれないの。だから手頃な……いちばん近くにいるAを選んだってわけ。そのくらい分かるでしょ?」
莉犬様が ころん様を諭すようにそう囁くのが聞こえた。
手頃なんて失礼な……
なんとか私と王子様の結婚を阻止しないといけないという難題。
国民は 一刻も早く王子様を国王にしたいのだろう。
国王がいないこの国の体制は崩れつつあるのだから。
「____あ、それこそ、顔もスタイルも声もいいんですからお見合いはいかがでしょう?私が責任をもってセッティングいたしますが」
「……分かりました。じゃあ、期間を設けさせてください。
____三ヶ月です。三ヶ月でAを振り向かせてみせます。」
振り向かせるってなんだ。しかも三ヶ月で。
そんな私のことを王子様が好きみたいな……
「……るぅとくんもしかして」
ころん様が青ざめた顔でるぅと様を見つめる。
すると、るぅと様は「ふふん」と鼻を鳴らた。
「勝負ですね、ころちゃん」
「最悪だよ……よりによってるぅとくんがライバルなんて」
「嘘でしょ……ころちゃん……るぅとくん……」
結局、今回はげっそりした莉犬様によってお開きになったのだった。
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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 菜々志さん» 菜々志さん ありがとうございます嬉しいです;; (2022年2月19日 11時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
菜々志(プロフ) - 高評価をもっと押させてくれぇぇぇ!!!ww (2022年2月19日 8時) (レス) @page7 id: ec6dd9f0aa (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん コメントありがとうございます! そう言っていただけて本当に作者冥利に尽きます……(T T) 体調にも気を配りながらこれからも更新頑張ります! (2022年1月15日 15時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - こんなに面白いと思った作品は初めてです…!体調にお気を付けて、そして更新も無理せず頑張ってください! (2022年1月15日 12時) (レス) @page50 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» コメントありがとうございます!わたし的に小説を書いていていちばん嬉しいお言葉、本当にありがとうございます…(泣 ) 最近寒いですもんね、体調に気をつけながら更新頑張ります!泡糖さんも体調を崩されませんようにお過ごしください✨ (2021年12月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2021年11月24日 21時