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非常に不味い状態だ。
通電後、それまで順調にいっていたのに、状況が一変した。
いや、そこまでが順調過ぎたのだ。
1人、ウィリアムさんが飛ばされた。
彼はずっとチェイスをし続けてくれていたのだろう。
もう1人、ピアソンさんがチェイスをし続けてくれていた。
ピアソンさんは2回食らっていたが、イライさんが近くで彼の援助をしていたから、どうにか持ちこたえていた。
ウィリアムさんが殴られたと同時に通電を知らせるサイレンが鳴り響き、皆がゲートを開けに行った。
もちろん、僕もだ。
だが、ハンター達はそれを待っていたかのように次々とダウンさせた。
引き留めるでピアソンさんもイライさんもダウンさせ、更に僕とエマさんも殴られた。
座らせるのが1回目だったから、すぐに助けられる訳でもなく、その間にもハンターに追われていた。
僕は棺を置いていた為、その場に放置される。
僕を治療し脱出すれば引き分け。
エミリーさんとフィオナさんが助けようと来てくれるのだが、リッパーが張り付いていて近づけない。
僕が自力で起き上がっても逃げる隙がない。
どうすればいいんだ…
バアァァァン
銃声が聞こえたと同時に辺りに煙が広がる。
今のうちだと思い立ち上がるが、煙でゲートがどっちにあるのかわからない。
「こっち!!!」
あの日から、ずっと耳に残り離れなかった声。
煙の中で差し出された手を握る。
そのまま引っ張られ、足を縺れさせながら走った。
「ケホッケホッ」
テントの影に隠れ、しゃがみ込む。
煙で目が染みて、涙で視界が歪む。
「……イソップくん。」
名前を呼ばれ顔を上げようとした時、そっと彼女が僕の顔に触れた。
「ごめんなさい。借りるね。」
申し訳なさそうに僕のマスクを取った彼女。
途端に、体の痛みが消えた。
事態を理解出来ず、混乱してる僕に彼女は言った。
「貴方は絶対に逃がすから。」
そう言って彼女はリッパーの元に走り出した。
いつの間にか傷を負っていた彼女だが、軽々とリッパーの攻撃を交わす。
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抹茶タピオカ2号(プロフ) - あいのすけさん» とても面白かったです( ≧∀≦)ノ神作でした!!本当にとても面白かったです! (2020年7月2日 8時) (レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
ポカりんご - アッイソップ君…好き…。 (2020年1月26日 1時) (レス) id: 54880d9a97 (このIDを非表示/違反報告)
あいのすけ(プロフ) - カステラ女王さん» わわっ!カステラ女王さん!また読んで下さったんですね!ありがとうございます!!もー、本当に嬉しいことを言ってくれますね(TT)そんな事言われると、次も張り切っちゃいます!笑 (2019年2月10日 22時) (レス) id: 2b26940a19 (このIDを非表示/違反報告)
カステラ女王(プロフ) - めっちゃ良かったです!!もうこの小説を読んでもっと納棺師の事を愛するようになりました!!あいのすけさん小説の神です!!(º∀º*) (2019年2月10日 19時) (レス) id: 6273742d9e (このIDを非表示/違反報告)
あいのすけ(プロフ) - アルトさん» ええっ。そんなそんな…。そう言ってもらえて凄く嬉しいです!ありがとうございます! (2019年2月6日 15時) (レス) id: 2b26940a19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいのすけ | 作成日時:2019年2月2日 10時