【第五人格】僕は貴方に恋をした【納棺師】

彼女は選ばない ページ3

「ねぇ、どっちがいいかなぁ？」




「やっぱり紫のじゃない？」




「いや、黄色のよ。」





「この前も黄色だったじゃない。今日は紫よ」




「そう言って紫にしたでしょう。黄色よ」









服なんてどれも変わらないと思うのだが…


やはり、女性は気にするものなのだろう。



さっきからトレイシーさんの服を紫か黄色、どちらにするかで話し合いが続いてゲームに参加出来ない。


(もちろん、待合室だと邪魔になるので食堂で)








トレイシーさんとエミリーさん、マーサさんに誘われ一緒にゲームに参加することになったが、こういう事になるなら断れば良かった。









はぁ…



あとどれくらい待てば決まるだろうか。









ｶﾞﾁｬｯ








「……」




Aさんが入ってきた。









「あ、A！

ねぇ、Aならこっちとこっち、どっちがいい？」







「……」









「え、黒？」









彼女はどちらも選ぶこと無く、自分の服を指さした。




まさか、選択肢にないものを選ぶとは…


これでは選択肢が増えてまた話し合いが伸びてしまうのでは…









「そうだね！黒にするよ！」



「確かにあまり着ないものね」



「たまにはカッコイイのも良いわね！」







え…





そんな簡単に決まるのか。









おかげでもう待たずに済んだけど…









彼女は結局選んでないし。





それに皆さん賛成したし。









それでいいのか…






やっぱり僕にはわからない。

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