12話，まっすぐな気持ち。 ページ15
三月side
狐狼「さ、行こうか。」
一織「よろしくお願いします。」
環「うーす。レイレイ？行かねえの？」
零「…紅炎、気を付けて…」
紅炎「おー。」
何に気を付けるんだ？社長って言ってたし、仕事は家でやってるみたいだし。
暴走族の話か？もしくは、家庭のこと、とか？
紅炎「で、皆さん、何かしたいことは？」
ナギ「こちらの世界のアニメみたいです！シアタールーム、どこですか？」
大和「ビール、あるんだよな？飲みたいな〜って。」
壮五「僕は洗濯物などの家事をします。」
見事にバラバラかよｗてか、壮五に至ってはもう、
やりたいこととかじゃ無くね？
紅炎「まずシアタールームは二階の西棟、3番目の部屋にアニメ関係がある。」
ナギ「Thank youです！」
紅炎「地下のワイン貯蔵庫にビールとかもあったはず。
洗濯物は基本的に風呂場の隣にあります。
で、三月兄貴と陸くんはどうしたい？」
どうしよ。特にやることはないからな…
あ、ダンス練習？あと、こっちの世界のバラエティ見るとか？
陸「こっちの世界にも、アイドルっている？」
紅炎「そりゃ。ジャ〇ーズとか。結構いる。じゃあ、西棟二階の1番の部屋にある。」
陸「ありがとう！」
紅炎「…三月兄貴は？」
三月「じゃあ、こっちの世界のバラエティ見たい、かな。」
紅炎「二階西棟2番の部屋にある。」
三月「紅炎は？」
紅炎「社長の仕事するから。でも、安心した。
三月兄貴は思ってた通りの人だから。」
三月「思ってた通り、って？」
『思ってた通りの人』…続く言葉を考えて、胸にｽﾞｷﾘとした痛みが走る。
思ってた通り、平凡だったとか？…そんなの、分かってる。
抜きんでた才能があるわけじゃないから。MCの才能なんて、
目立たない才能だから。ファンになんて、なってもらえるはずない。
紅炎「相手のことを考えてくれる、太陽みたいな人。見てるだけで元気になれる、みたいな？
暴走族って、嫌なイメージ持たれるし。でも、気にしないで話してくれるし。
なんか、怪しいなって思ってること、あるはずなのに。
聞かないでくれるところとか…言ってて恥ずかしいな。コレ。
じゃあ、仕事に戻りますので。」ﾆｺｯ
三月「…っありがとう！」
予想とは裏腹な返事。太陽、か。
紅炎を疑った自分が恥ずかしくなるくらい、紅炎はまっすぐだった。
こんなオレの、ファン。胸がいっぱいになった。
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作者名：アイナナ最高！ | 作成日時：2020年5月31日 21時
