二人の少年 ページ8
『ほら、重いぞ。しっかり持て。』
中を覗くと、ふわふわの白パンやチーズ、高級そうなミルクにシュトーレン、そして柔らかそうな干し肉がたっぷりと入っていた。
『ミルクだけは日持ちしないからな、気を付けるんだぞ。』
Aは俺に篭を渡したあとに、
それと…と言いながら、何かネックレスのような物を俺の首にかけてきた。
小さな地図も渡してくれた。
『ここに書いてある店に行けば私の顔見知りがいる。金に困ったら、私の名を出してそれを売りなさい。
多少古いが、充分金になると思うゾ。』
これは、明らかに恵んでもらっているのだ。
この国で物を恵んでもらえるのは、乞食か孤児だけだ。
ht「っ…！俺が…孤児って…いつ…」
『ふふ、君が教会の子であることなどわかっていたさ。遠慮せず持っていくと良い。
その代わり……またおいで、小さなパトリオット。』
そう言って俺を送り出してくれた。
教会に帰る前にもらったものを道端に隠し、オスマンと共に教会を出たときに回収して二人で食べることにした。
os「わぁ……!!スゴいめう！ひとらんらん!!」
ht「オスマン」
一緒に食べよう、の意を込めて名前を呼ぶ。
彼は俺をひとらんらん、と呼ぶ。
まだ難しくて発音はできないけど、なんだか可愛い響きで気に入っている。
os「っ！美味しいめう〜！」
シュトーレンをかじって幸せそうに笑うオスマン。
きっと好みにあったのだろう。
小さい頃から甘いものなんて食べたことのなかったオスマンは、たまに通行人に恵んでもらう焼き菓子類をとても好んでいる。
os「ひとらんらん！これ、美味しいめう！」
ht「むぐっ……」
随分嬉しそうにシュトーレンを俺の口に押し付けてくる。
甘い砂糖の味が口に広がった。
ミルクで緩和させると、なんとも言えず幸せな気分になる。
os「にしてもこの人良い人めう…栄養のあるものと保存のきくものを選んでいれてくれてるんやね…」
結局、ミルク以外は全部残して隠しておくことにした。
ネックレスも、売るつもりなんてさらさらなかった。
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タマゴノカラ(プロフ) - LINEぺけさん» いえいえいえ、こんなダメダメ作者の作品を見てくださる貴方様こそが神様です！！ (2020年8月25日 17時) (
レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
LINEぺけ - 神ー！！！やば、神ですね。神すぎて辛いほど神ですね？！！！？？！ (2020年8月25日 0時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - なまえさん» お待たせいたしました、更新しました！楽しんでもらえて何よりです！ (2020年4月2日 8時) (レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
なまえ - 更新待ってます!!!!!めちゃくちゃ面白かったです!!・ω・ (2020年3月31日 21時) (レス) id: 9acd939800 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｷﾘﾄﾘｾﾝ | 作成日時：2020年2月4日 21時
