東洋の少年 ページ6
早朝、俺は軋む体に鞭を打って起き上がり、隣に眠る少年を見た。
キャラメル色に輝く長髪に玉の肌、キレ長の糸目、見ようによっては女の子にすら見える。
けれどその美しさ以上に目立つのは痛々しく腫れた頬だった。
ht「オスマン……」
寝ている彼の名前を呼ぶ。
俺が唯一この国の言葉で発することができるのは、彼の名前だけ。
頑張って勉強すればもっと色んな事を彼と話せるのだろうけれど、俺にはそんな暇はない。
ht「行ってくるね。」
母国の言葉でそう告げ、俺は今日も食べ物を探す。
俺達は孤児だ。
親に捨てられ、教会に身を置かせてもらう変わりに働くんだ。
一日中色んな家に行って、宗教の勧誘や宗教用具の押し売りをする。
売り上げは全て教会に行き、その日１番稼げた奴だけが一欠片の黒パンと薄めたミルクにありつける。
だったら盗んだほうがましだ。
俺は金持ちそうな屋敷に忍び込むことにした。
寒い中暫く歩くと、古ぼけたデカイ屋敷が見えた。
これだけデカイなら、庭に作物が植わっている筈だ。
そう思って忍び込んだ。
………やめておけばよかった。
案の定、見つかったのだ。
『やぁ少年。うちの馬に何かご用かな？』
ht「！？」
屋敷の庭に忍び込んですぐに目に入ったとても美しい馬を眺めていると、真後ろにそいつは現れた。
『はっはっは、そう驚くな。こんな早朝に珍しいお客人だな？』
ht「………」
金髪赤目で背の高い女。
言葉はわからないけど、綺麗なハスキーボイスだった。
『なんだ、人見知りか？』
ht「……」
『喋れないのか。』
俺の口についたバッテンのマスクに気付いたのか、それを指差した。
それから全身をじろじろと眺め、女はこう発した。
『東洋の国の出身か。』
はっきりと、俺の母国語で。
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タマゴノカラ(プロフ) - LINEぺけさん» いえいえいえ、こんなダメダメ作者の作品を見てくださる貴方様こそが神様です！！ (2020年8月25日 17時) (
レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
LINEぺけ - 神ー！！！やば、神ですね。神すぎて辛いほど神ですね？！！！？？！ (2020年8月25日 0時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - なまえさん» お待たせいたしました、更新しました！楽しんでもらえて何よりです！ (2020年4月2日 8時) (レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
なまえ - 更新待ってます!!!!!めちゃくちゃ面白かったです!!・ω・ (2020年3月31日 21時) (レス) id: 9acd939800 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｷﾘﾄﾘｾﾝ | 作成日時：2020年2月4日 21時
