39 ページ39
『時に…少しばかり鬱を借りても良いかな？話があるんだ。』
ut「んぇ俺？」
kn「大先生に？」
『ああ。そんなに長くはかからんと思う。』
さっきからずっと綺麗な微笑のままやから、考えている事が読み取れん。
なんやろ…ほんまグルッペンみたいやなぁ。
姉弟やって言ってたから似ていても無理はないんやけど。
ut「トントン！俺ちょっと行ってくるわ、待っといて〜」
tn「おん、先に内ゲバっとるで」
ps「悪い響きの単語使うなぁ…w」
鬱、と名前を呼ばれたのでお姉さんについていくことに。
招かれたのはお姉さんの部屋やった。
赤いカーペットが暖炉の火で照らし出される。
壁を覆う程の本棚に鉱物標本や試験管入り植物、
紙の束が沢山乗った机…
アンティークというか少しスチームパンクみを感じる。
見たことない道具もちらほらあって、何だかふしぎな部屋だった。
『私の部屋だ、汚くてすまないね。そこの椅子に腰かけて待っていてくれるかい？ココアでも淹れよう。』
言われた通り椅子に腰掛ける。
女の部屋に二人きりって言うのは慣れているようで慣れていない。
もしかしたらコイツにも他の女と同じような扱いをされるのかという恐怖があった。
目の前の優しい悪魔は俺の気持ちなんて露知らずとでもいうように、マグカップを3つ出して、その内の2つにココアパウダーと砂糖、牛乳を淹れた。
もう1つには…砂糖と何かの液体を。
牛乳に見えたけれど、違う瓶から注いだって事はクリームか何かなんかな。
見えないけれど部屋の奥にキッチンがあるようだった。
貴族は料理なんてしない筈やのに…変わり者やな。
なんて思っていると、お姉さんは紙とペンを俺の目の前の小さなテーブルに置いて何かを書き始めた。
『危ないから手を出すんじゃないぞ、鬱。』
ut「はぁい。」
紙一杯に綺麗に円を描いたと思ったら、よく分からない文字や模様まで。
数秒して書き終わったのか、ペンをしまってその紙に手をかざし、ぽそりと小さな声で何かを呟いた。
その刹那、紙に描かれた変な模様がぼうっと光かる。
これは……
誰もが一度は使うことを夢見たであろう、そう、魔法だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 220人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タマゴノカラ(プロフ) - LINEぺけさん» いえいえいえ、こんなダメダメ作者の作品を見てくださる貴方様こそが神様です！！ (2020年8月25日 17時) (
レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
LINEぺけ - 神ー！！！やば、神ですね。神すぎて辛いほど神ですね？！！！？？！ (2020年8月25日 0時) (レス) id: 45eedb7288 (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - なまえさん» お待たせいたしました、更新しました！楽しんでもらえて何よりです！ (2020年4月2日 8時) (レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
なまえ - 更新待ってます!!!!!めちゃくちゃ面白かったです!!・ω・ (2020年3月31日 21時) (レス) id: 9acd939800 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｷﾘﾄﾘｾﾝ | 作成日時：2020年2月4日 21時
