いつだって。 ページ8
「では私は食堂の方へ戻りますので、何かあったら大声でお呼びください。
このじいや、いつでもかけつけますぞ！」
kn「おう！ありがとうなじいやさん！」
syp「ありがとうございましたっす…。」
見た目のわりに元気なおじいさんが大浴場を後にし、
先輩と俺の二人きりになった。
kn「いやー、デッカイ風呂やなぁショッピ君！」
syp「そうっすね…。」
kn「ほんま泳げるんちゃうか!?めちゃくちゃ金持ちやん…」
syp「そうっすね…。」
先輩はわかっていないようだった。
屋敷前のデカイ門、アホみたいに広い庭、そしてそれらが霞んで見えるほどに豪華な屋敷…ほぼ城だ。
部屋の中の装飾品は高級なアンティーク。
古ぼけているものの、手入れはちゃんとしてあった。
そんじょそこらの金持ちとは訳が違う。
……到底、良い扱いをされるとは思えない。
金持ちの変な道楽で弄ばれ、死んでいくのだ。
kn「いやぁ〜！これだけ豪華な大浴場やし、飯が楽しみやで！」
syp「……先輩アホなんじゃないっすか。
そんな良い待遇受けれる訳ないじゃないですか。
今までと一緒、利用されてすぐポイだと思いますけど。
…………どうせ死ぬんですよ。」
自分でも驚くくらい、怒りの混じった声色だった。
飯だの風呂だの、そんな能天気に浮かれている先輩に虫酸が走ったのかも知れない。
でも、隣に座る先輩の顔を見て、能天気なのは自分だと気付いた。
kn「大丈夫やでショッピ君、なんも怖いことあらへんわ！」
優しい目で、優しい声色で、頭をガシガシと撫でながら先輩はそう言う。
自分だけが辛い世界で生きていて、自分だけが世界のことをわかっていて…そう思っていたけれど、違った。
先輩は、この腐った世界で俺よりも多く生きている。
俺よりも辛い思いをしているのに、俺よりも笑っている。
syp「…声がいつもより響いてうるさいっす。」
こんな時にまで素直になれない自分が恨めしい。
俺が不安がっているのを察して、いつもよりも笑顔でいてくれた先輩。
本当に頭が上がらない。
kn「なんやてっ!?ww…まぁ、もしなんかあったらショッピ君が逃げれるくらいの時間は稼げるで。
こっそり1階の窓の鍵開けといたしな！」
syp「…それはどーもっす。」
あぁ、いつだってこの人は俺の上を行く。
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タマゴノカラ(プロフ) - *空月白/白猫*さん» またまた神だなんて…(*/∀＼*) でも喜んでいただけたようで何よりです！ありがとうございます！ (2020年1月6日 22時) (
レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
*空月白/白猫* - ほあぁ神。これは神ですね。もう泣いたんですけど語彙力消えてきました！メンバー可愛いし可愛いとか神() (2020年1月6日 12時) (レス) id: 5da8d7e784 (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - iyo様、いえいえ、なかなか更新できず、私なんてまだまだです……。応援ありがとうございます！期待に応えられるよう、頑張ります！！ (2019年10月15日 20時) (レス) id: b6146e307b (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - わたあめ様、そんなに喜んで頂けて、誠に光栄です！これからもよろしくお願いします(*´ω｀*) (2019年10月15日 20時) (レス) id: b6146e307b (このIDを非表示/違反報告)
iyo(プロフ) - かーわーいーい！二作同時進行なんてすごいです！真面目に神では...？これからも応援しています！頑張ってください！ (2019年10月15日 17時) (レス) id: 14f844edc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ｷﾘﾄﾘｾﾝ | 作成日時：2019年9月4日 7時
