家族が欲しい。 ページ10
食事が始まるや否や、スゴい勢いで食べ始める金髪の少年。
それにつられて、徐々にスピードをあげる茶髪の少年。
『ふふ、旨いか。うちのシェフは有能だからな、たんとお食べ。』
kn「んっ！むほほぐふぐふ！」
syp「汚いです。」
口の周りに色々つけながら、少年達は食事をする。
私としんぺい神も共に食事を楽しむ。
kn「なぁ！めちゃくちゃうんまいで！」
syp「スゴい美味しいです。」
『それは良かった、好きなだけ食べると良い！』
目を大きく見開き輝かせ、頬を薔薇色に染め、なんとも幸せそうな表情だ。
そうだ、子供はそういう顔が相応しい。
この世の闇を睨み付けるような表情のまま生きなくて良いのだ。
食事が終わると、しんぺい神が少年二人を診始めた。
ps「うん…大きな怪我はないし、病気でもないね。でもかなり痩せているからちゃんと滋養のある物を食べさせて、運動をさせた方がいいよ。」
『あぁ…わかった。…そう言えば少年、名前と…年はいくつだ？』
kn「俺はコネシマ！12才やで！」
syp「ショッピっす。10才です。」
『そうか…私はAだ。こっちはしんぺい神。』
ps「よろしくね〜、ぺ神って呼んでね！12才だよ！」
…ん？12？
『おいまて、お前もう12だったのか？まだ8だろう？』
kn「そんなちっこくないやろ？」
syp「俺より年下には見えませんけど…」
ps「悪魔と人とじゃあ時間の流れ方が違うから…」
『…む、待て！ならば私は4回もお前の誕生日を祝い損ねているぞ！なんたる不覚……おい、何が欲しいのだ！言ってみろ!?』
私とリア、じいや、シェフは悪魔だから誕生日なんていう概念はない。
だから春に皆で祝うことになっているが、人間は生まれた日を祝うことになっているらしい。
ならば祝わん訳には行かぬだろう、世話になっているのだから。
だが、何が欲しいと問うても毎年しんぺい神は困ったような顔をする。
何故なのか、私にはわからない。
子供は貪欲だろう？
素直で我が儘、そして貪欲…それが子供なのだ。
何故そんな困ったような顔をするのだ。
『遠慮するな、言ってみろ。』
そう言うと、しんぺい神は渋々口を開いてこう言った。
ps「……家族が、欲しい…。」
それは、私がこの世で一番わからないものだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 456人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タマゴノカラ(プロフ) - *空月白/白猫*さん» またまた神だなんて…(*/∀＼*) でも喜んでいただけたようで何よりです！ありがとうございます！ (2020年1月6日 22時) (
レス) id: e351f1e44a (このIDを非表示/違反報告)
*空月白/白猫* - ほあぁ神。これは神ですね。もう泣いたんですけど語彙力消えてきました！メンバー可愛いし可愛いとか神() (2020年1月6日 12時) (レス) id: 5da8d7e784 (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - iyo様、いえいえ、なかなか更新できず、私なんてまだまだです……。応援ありがとうございます！期待に応えられるよう、頑張ります！！ (2019年10月15日 20時) (レス) id: b6146e307b (このIDを非表示/違反報告)
タマゴノカラ(プロフ) - わたあめ様、そんなに喜んで頂けて、誠に光栄です！これからもよろしくお願いします(*´ω｀*) (2019年10月15日 20時) (レス) id: b6146e307b (このIDを非表示/違反報告)
iyo(プロフ) - かーわーいーい！二作同時進行なんてすごいです！真面目に神では...？これからも応援しています！頑張ってください！ (2019年10月15日 17時) (レス) id: 14f844edc7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ｷﾘﾄﾘｾﾝ | 作成日時：2019年9月4日 7時
