#10 ページ10
・
・
それから少し経って。
Aとまだ目立たんけど確かにそこにおるチビは大阪に帰ってきた。
『この部屋狭ない？』
「2人には充分すぎるくらいやで。
荷物だってそんなに無いし。」
『これから増えるんちゃう？』
「それにしたって十分。
無駄に広くても掃除大変になるからなあ。」
そう言って優しくお腹を撫でるAの顔が、すっかりおかんの顔で驚く。
女の人って1度腹くくると強いよな。
絶対に男は敵わん。
…こっわ。
『なんか必要なもんあったら言えよ。』
「今のところは大丈夫かなー。
もう少ししたら色々とこの子の揃えなきゃやけど。」
『仕事はいつから？』
「明後日かな。」
『はっや。』
「無理してこっちの教室に移動させて貰ったからね。
なるべくギリギリまで働いて早く復帰しようと思ってる。」
『無理だけはすんなよ。』
「うん、ありがと。…ふふっ。」
『何やねん。』
「すぅ兄なんかパパみたいやなって。」
『…んやねん。』
ニヤニヤした顔ホンマに腹立つな。
「ねえすう兄。」
『あ？』
「部屋、ホンマにありがとうございます。」
『そんなんええって別にあらたまんな。』
「こういうのはちゃんとしないと。」
胡座かいて座る俺の目の前に姿勢正して座って、覗き込むように視線を合わせにくる。
狭い2LDKのアパートは、今後一生オレが家賃を支払うことにした。
Aは嫌やって駄々こねとったけど、俺がその倍以上の嫌やで抵抗したったら渋々諦めて受け入れた。
ホンマはセキュリティもしっかりしたタワマンでもええねんけど、家だけは自分で決めるってAが聞かんから。
「ホンマにありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。」
『ふは、なんなんきしょいわ。』
「ホンマに感謝してんねんから真面目に受け取ってやー？」
不服そうなAに背を向けて煙草を吸うためにベランダに出た。
…あとは早いうちに生活費を受け取るように説得せんとアカンな。
あいつめちゃくちゃ嫌がんねん。
俺は頭の中で説得の計画を練りながら煙を吐き出した。
白い煙は、3階から真っ青な空に向かって溶けて消えた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 937人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛(プロフ) - 更新ありがとうございます (2020年6月7日 15時) (
レス) id: fb6d980ce6 (このIDを非表示/違反報告)
みぉ(プロフ) - みけねこさん» コメントいつもありがとうございます！よろしくお願いいたします！ (2020年6月3日 11時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
みぉ(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！よろしくお願い致します！ (2020年6月3日 11時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - お話、ありがとうございます！私も更新を楽しみに待ってます。 (2020年6月3日 5時) (レス) id: 177d327f15 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - スピンオフ待っましたよ。更新楽しみにしてます。 (2020年6月3日 0時) (レス) id: fb6d980ce6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みぉ | 作成日時：2020年6月2日 23時
