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通された薄暗い部屋におったのは、めちゃくちゃAに似てる蝋人形。
ただの固形物で到底ニンゲンやとは思われへん。
恐る恐る触れた頬は吸い込まれそうなほど、深く冷たかった。
けどこれを蝋人形やと思い込むには、皺とか毛の1本1本とかがやけに生々しい。
やっぱりこの形が、さっきまでAの意思が入っていたものなんやろか。
ぴくりとも動かへんのに、A、なんやろか。
Aは死んでもうたんやろか。
妙子が泣いているのを久しぶりに見た。
こんなに親族が集まってくるのも、久しぶりで。
なんやこれ。
現実なん？
病室の扉開けたら、すう兄くるの遅いよって笑いながら赤ん坊抱えてるAがおるはずやろ。
女の子やってん！名前決めなアカンなってはしゃぐAは？
可愛い親子の写真撮ってメンバーに笑われたとしても携帯のホーム画面にする予定やったよ。
可笑しいやんけ、こんなんが現実なんて。
こんな現実、現実ちゃうやろ？
「…赤ちゃんにお会い出来ますよ。
ご案内しますか？」
しばらくしたのかあんまり時間経ってへんのか分からんけど、Aを前にピクリとも動けんようになった俺を、いつの間にか現れていた兄貴が待合室みたいな所まで引きずってって。
妙子と俺と兄貴とで丸いソファに沈んでいた。
そこにピンクの服きたおばちゃんの看護師がやってきた。
妙「あたしらはもう会ったからあんたゆっくり会ってきな。」
『…いや。』
妙「…会ってやって。
ホンマに…っかわええ子やから。」
その言葉と共に崩れ落ちた妙子を見て、ようやく俺の胸の中に現実がストンと落ちてきた。
落ちてきてもうた。
胸が、じくじく痛む。
ここが病院なら、この痛み治してくれ。
誰でもええから、助けてくれ。
痛くて、たまらん。
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凛(プロフ) - 更新ありがとうございます (2020年6月7日 15時) (
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みぉ(プロフ) - みけねこさん» コメントいつもありがとうございます！よろしくお願いいたします！ (2020年6月3日 11時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
みぉ(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！よろしくお願い致します！ (2020年6月3日 11時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - お話、ありがとうございます！私も更新を楽しみに待ってます。 (2020年6月3日 5時) (レス) id: 177d327f15 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - スピンオフ待っましたよ。更新楽しみにしてます。 (2020年6月3日 0時) (レス) id: fb6d980ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぉ | 作成日時：2020年6月2日 23時
