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『しばらく東京やから。
なんかあったら連絡せえよ。』
「わかった！」
『産むのは俺がこっち帰ってきたときにせえよ。』
「だってよ〜？(笑)」
まん丸。
そんな表現がぴったりなほどでっかくなったAの腹。
時間はあっという間に流れて、予定日は残り1週間過。
大阪に仕事で来たついでに当たり前のように寄ることが週間となったAとチビの住むマンション。
今年は特に冷えるから、南向きの部屋で良かったなんてしみじみ思ったりした。
『おいチビ。
お前もあんましオカンにしんどい思いさせんなよ？』
触れた腹のその奥。
確かに在るはずなのにまだ見えへんそいつに、もう少しで会うという不思議な感覚。
どんな顔、してんねやろ。
『じゃあそろそろ行くな。』
「行ってらっしゃい！」
『…なんや？』
「え？」
『言いたいことあんなら言え。』
「うわーお見通しって感じ？怖いわ(笑)」
『新幹線行ってまうから早よ言え。』
こっち帰ってきてるときに生まれて欲しかったなんて半ば恨めしく思いながら、帰る支度をしてるとき。
なんとなくやけど、こいつの違和感に気づいた。
空をさまよう視線を掬いとるように合わせれば、Aはあっさり白は他をあげた。
「…あたしホンマにお母さんになれるかな？」
いくら腹を括ったと言っても、例えようのない不安に何度も襲われて、その度に押し潰されそうになってるんやと思う。
不安、焦り、緊張。
きっとおかんになる人しか分からん大きくて重たい感情。
それと必死に戦い、人は人を産む。
困った顔で苦笑いするAが、パーカーの腹の辺りを強く握った。
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凛(プロフ) - 更新ありがとうございます (2020年6月7日 15時) (
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みぉ(プロフ) - みけねこさん» コメントいつもありがとうございます！よろしくお願いいたします！ (2020年6月3日 11時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
みぉ(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！よろしくお願い致します！ (2020年6月3日 11時) (レス) id: 5ac68e315d (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - お話、ありがとうございます！私も更新を楽しみに待ってます。 (2020年6月3日 5時) (レス) id: 177d327f15 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - スピンオフ待っましたよ。更新楽しみにしてます。 (2020年6月3日 0時) (レス) id: fb6d980ce6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぉ | 作成日時：2020年6月2日 23時
