Answer__(blk・grn) (ページ10)

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安「水飲んで！ほら！」

『…ゴホッ。エホッ。

…ありがと。』

あまりにもタイムリーな台詞が聞こえてきたもんやから

めっちゃ焦ってもうてご飯が喉に詰まった。

台詞が聞こえたほうを振り返ると

食堂の隅に置かれたテレビの音やと気づく。

安「…あぁ！これ今女の人の間でめっちゃ人気なドラマやねん。

ダイジェストやってるんや～。」

『知らんなぁ。』

安「主人公の女の人が浮気する話やねんけどな？

次回、浮気相手の男の人が女の人のことを
ホンマの彼から略奪できるかどうか気になるとこやねん！」

『…そうなんや。

ヤスも見てるん？』

安「うん！

めっちゃオモロイで！」

『女子やな～(笑)』

なんそれ、めっちゃ俺とAちゃんにリンクする。

浮気をするAちゃんと

そして略奪したいって考えてる俺。

少し違うのは

浮気してる女の人がホンマの彼に気持ちが有るか無いかだけ。

こんなドラマが流行るなんて末恐ろしい世の中やで。

『…なぁ、ヤスはどう思う？』

安「何がぁ？」

『…浮気からの略奪。』

安「そんなんアカンに決まってるやん！」

『…ぉお。』

安「ドラマの中やから楽しめるけど実際はそんなんしたらアカンよ。」

ギクリ、ってアニメみたいな音が

心臓らへんから鳴った気がする。

安「略奪するんやったら

ちゃーんとケジメつけなアカンと思うなぁ。」

『けじめ？』

安「ホンマの彼氏に今まで浮気してましたのゴメンナサイをちゃんとして。

それからサヨナラせんと。」

『…そぉ、かな。』

安「負い目っていうのははいっつまでも追いかけて来ると思うで？

次に進むにはしっかり過去にお別れしましょってこと。」

こいつぽわぽわしてるくせに

ときどき確信めいたことをサラッと言うから、怖い。

『例えばやけどさ…。』

安「うん？」

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