Answer__(blk・grn) (ページ9)

今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:15,552 hit

△ ページ9

・

・

「食欲ないのー？」

昼休みに社員食堂で声を掛けてきたのは

同僚のヤスやった。

うどんの載ったお盆を持って

俺の前の席に遠慮なくちょこんと座る。

『なんで？』

安「いつもカレー大盛りと丼物頼む大倉が

カレーとミニ丼しか食べてへんから。」

『…確かに食欲あんまりないんかなぁ。』

安「なにか悩んでるん？」

『んー…悩んでるのかな。

自分でもよぉ分からへん。』

安「そっか。

俺ならいつでも話聞くからね？」

深く探ってこおへんのは

こいつの優しさ。

悩んでるというか

ただ苦しさでいっぱいなんやと思う。

頭ん中いつもAちゃんでいっぱいやから。

ホンマに我ながらきしょいって思ってるし

ええ歳こいて仕事とプライベート切り替えられへんなんてかなりヤバいと思う。

けどさぁ、しゃあないやん。

Aちゃんとの関係には常に罪悪感が付きまとってて

その罪悪感が常に苦しい。

俺らの関係はアカンことやから

罪悪感はあることは当たり前なんやけど。

好きな人に会うのも

好きな人と話すのも

お互いの同意で触れ合うことも

全部"アカンこと"。

そんなん苦しすぎるわ。

それを分かってて危ない領域に踏み込んだのは

間違いなく俺らやけど。

罪悪感なくAちゃんと幸せになれるのは

Aちゃんがあっちと関係を切って

俺の彼女になってくれたときなんかな。

いや…俺にそんな略奪なんてできへんやろ。

＿＿＿＿＿略奪する。

もう我慢なんてできない。

『ゴホッ！！！』

安「わぁ！」

・