Answer__(blk・grn) (ページ21)

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『Aちゃんその酒好きやなぁ。』

「ふふっ。

強いのが好きなだけー。」

『けどそれ最後な。

それ以上呑んだら明日仕事行かれへんよ。』

「はーい。」

すでに溶けた目でふにゃふにゃ笑うAちゃん。

出会った日に呑んでいたのと同じカクテル。

オレンジ色のそれを慣れた仕草でゆっくり口に含む。

その姿が店の妖しい証明に照らされて。

あぁやっぱり。

綺麗やな。

ホンマのカレシの前ではこんな抜けきった呑み方せえへんやろな。

まだ危ない線を越してへんころ

カレシの前では可愛こぶっちゃってちゃってこんなグビグビ呑めないって言ってた。

これは俺だけが見ることができるAちゃんの姿。

なんとなく嬉しくて

その優越感ににやけてまう。

店を出てタクシーに乗る頃には

Aちゃんの足元はかなり危なっかしくて

俺の肩にAちゃんの全体重がかかとった。

『ほら。頭ぶつけんといてな。』

「うん。よいしょー。」

Aちゃんをタクシーに乗せて俺も反対側に乗り込むと

すぐにAちゃんの頭が俺の肩に落ちてきた。

静かな寝息が耳を撫でる。

寝顔はグラスを持つAちゃんとは違って

めっちゃ幼い。

『…かわええなぁ。』

勘弁してや。

また好きが加速してまうやん。

俺は何回この子に恋に墜ちるんやろか。

「…ん。」

『ん？』

「きみ……か…さん。」

『…っ。』

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