Answer__(blk・grn) (ページ20)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:15,546 hit

▼ ページ20

・

・

『だとしたら俺さ。

嬉しいんやけど。』

「…え？」

『吉田が仕事とごちゃごちゃになるくらい俺のこと想っててくれたなんて嬉しいわ。

まぁそもそも吉田は公私混同なんてしてへんけどな。

吉田が俺のとこに仕事の相談来るときは
いつでも仕事人の顔しとったから。

そこは自信持ちや。』

「あ…はい。

え？あの？

嬉しいってどういうことですか…？」

「ふはっ。

俺も吉田…Aのことさ。」

＿＿＿＿＿好きやから。

…第5資料室来るのあれ以来やん。

あのときと変わらずめっちゃ埃っぽい。

こんなところで資料探すなんて面倒でしかないけど

企画に必要やからしゃあない。

『…あった。』

意外にも早く資料は見つかって資料室を出る。

…その前にその薄暗く埃っぽい空間を振り向く。

…そうやった。

そこの角でAのこと抱きしめとったんやな。

うわーめっちゃ恥ずいわ。

あんとき両想いが分かってめっちゃ舞い上がって

本棚の角に足ぶつけたんやった。

Aにもめっちゃ笑われてホンマにダサかった。

あんときの自分めちゃめちゃAのこと好きやったもんな。

…あれ、今はどうなんやろ。

いや、好きやでAのこと。

あんときくらい…それ以上かも。

せやけど。

あのとき以上にAのこと大切にできとるのかな。

あんときはどんなけ仕事が忙しくても

連絡だけはこまめに取るようにしていた。

久々の休みの日はめっちゃ考えてあちこちデートに行った。

今は。

連絡も2日以上開くのは当たり前で

休みの日は疲れたからとお互いの家で泊まりあうだけ。

あんときよりも

好きもありがとうも言ってへん。

好きもありがとうも

Aの好きな言葉なのに。

…俺ら、ホンマに大丈夫なんか？

アカンな今は仕事中やから集中せな。

肩に付いた誇りを払って資料室の扉を閉じた。

・