H a p p y . W e d d i n g__( ∞ ) (ページ9)

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「それでは、誓いのキスを。」

神父さんがそう言った瞬間

侯くんの肩がガチッって固まったのがわかった。

侯くんが直前まで

嫌や嫌や言っていた誓いのキス(笑)

親族、知り合いみんなの前でキスするなんて

恥ずかしすぎてホンマに無理！

ってずっと言っていた(笑)

でもやっぱり結婚式と言えばこれがメインと言っても過言ではないし

女子の憧れのシーンだから

私も譲れない。

結局お互い譲歩して

キスはおでこにすることに。

おでこへのキスなら

プラトニックな感じだから

侯くんの中でもまだ許せるらしい(笑)

本当はね。

誓いのキスは

誓いの言葉を永遠に封じる

っていうステキな由来があるの。

だから恥ずかしいけど

唇にして欲しかったなぁ。

おでこへのキスは

身長差のある私たちがすると意外と見映えはよくて

それはそれでアリだけど。

侯くんと向かい合って

腰を屈めると

そっとベールを取ってくれる。

ベール越しではなくクリアに見る侯くんの顔は

真っ赤になっていた。

笑いを堪えつつ目を閉じて

静かな空気のなか

少しだけ顔を上げて待つ。

そして。

侯くんの唇がそっと降りたのは。

私の唇だった。

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