H a p p y . W e d d i n g__( ∞ ) (ページ4)

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扉から少し離れたところに立つ。

準備はいいかと私に問いかけてから

スタッフさんの2人がそっと引き扉を引いてくれて。

ガチャりと音がして

ゆっくりすばるとの間を隔てる扉が開いていく。

扉が開ききると

目の前には

王子様を超えるくらいかっこいいタキシード姿のすばる。

「………。」

すばるは

扉の向こうでじっと立ったまま。

大きな瞳をさらに大きくして

びっくりしているだけ。

もっとリアクションしてくれるかと思ってたけどなぁ(笑)

でも私は本当に感動している。

新郎姿のすばるがいて

その前にウエディングドレス姿の私が向かい合っていて。

本当に夫婦になるんだなって。

実感という暖かいものが

胸をいっぱいにする。

「A…。」

すばるは私に向かって

ゆっくり歩いてくる。

コツコツと

磨かれた靴の音が私の前で止まった瞬間。

あっという間に

すばるの温もりに包まれた。

すばるは人前でこんな行動に出ないから

とても驚く。

けどやっぱり嬉しくて

私もすばるの背中に手を回す。

「…ありがとう。」

『え…？』

「ホンマに、ありがとうな。」

『…っ。』

不器用で照れ屋なすばるだから

綺麗だねなんて伝えてはくれないけれど。

強く私を抱きしめたまま

ホンマにありがとうな、って。

その一言だけで

すばるの真っ直ぐな気持ちが伝わってきた。

私のことを心から愛してくれている

って分かるから。

本当に本当に

この人のお嫁さんになれて幸せ者だ。

『…こちらこそ。

お嫁さんにしてくれて…っ。

ありがとう、ございます…。』

ありがとう、すばる。

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