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AちゃんAちゃんって無邪気に私の手を引いていた中学生はどこへやら、ウインドブレーカーのポケットに手を突っ込んで歩く雄登の背中はいつしか頼もしくなっていた。
A「春から大学生だね。」
雄登「早いもんだねぇ」
少し暖かくなってきた3月。
染めたばかりの金髪がさらさら風に靡いて、それをかきあげる雄登は間違えなくイケメン。
A「ねーねーねー、告白とかされたことないの?」
雄登「男子校だし。」
A「華がないねぇ」
雄登「Aちゃんも人のこと言えないからね?
勉強もせず藤井くん藤井くんってバカみたいに騒ぎすぎて単位ギリギリで、華のセブンティーン迎えても青春できなかったっていう。
俺、だいぶ助けたからね?」
A「いーんです。直樹くんのキラキラ笑顔は天下一なんです。直樹くんの笑顔を拝めるだけで誰よりも青春してる自信あるわーー」
子供みたいに文句を言う自分。
雄登は順調に大人になってるのに私は退化してる気がする。
雄登「Aちゃん、俺 焼肉食べたい♪」
A「こんな時だけ子供なんだから……」
雄登「おーねーがーーーい」
語尾にハートがつきそうな勢いでお願いされたんじゃ、もう断れないよね。
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作者名:だいふくリンゴ☆ | 作成日時:2019年11月25日 16時