今日も、これからも。【2BRO.】 (ページ7)

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依頼の内容ページ7

おついち side

ここは東京。

街を歩く。
どこかの通学路を抜け、古書店街を抜け、ネオン街を抜け、闇の中を抜ける。

いつもならスーパーに寄るけど、今日はめぼしい安売り商品もなかったし寄らなかった。

目の前に立つのは兄弟の自宅兼アジト。...果たしてアジトと呼べるのかどうかは些か疑問ではあるけど、まぁ応接室作ってあるしそこで依頼聞いたりするから、まぁいいでしょう。

ここそんなに目立たないけどそこそこ広いし結構良物件だったのよね。駅から近いし。

インターホンを押すと、どうぞーと聞こえる弾んだ声。...弟者くん、何かいいことあったな？？
あ、親しき仲にも礼儀あり、毎回ちゃんとピンポンは押してます。

ガチャ、と扉を開ける。

お｢お邪魔しまー...弟｢おついちさんっ！｣何っ！？｣

満面の笑みの弟者に遮られた。見える、見えるよ、ぶんぶんとちぎれそうに揺れるしっぽが...

お｢どうしたの、やけにテンション高いじゃない｣

弟｢うん！聞いておついちさん！あのねあのね！｣

そうして発せられた言葉は、一瞬思考を停止させた。

弟｢今度のターゲット“狐”だって！！｣

お｢...

はい？｣

＊

お｢...つまり、今日来た依頼主から“狐”を殺してほしいって依頼があったってことね？｣

兄｢そう。何でもちょっと前に依頼主の組織の親玉を殺されたらしくてな。その敵討ち...みてぇなもんらしい｣

お｢ほぉん？イマドキ敵討ち？流行んないよ、そんなの｣

兄｢いや俺に言うなよ｣

玄関入って数十分後。
目ぇキラッキラさせて何言ってるかイマイチ要領を得ない弟者に代わり、兄者を引っ張り出して説明してもらった。

戦ってみたいって言ってたし、脳筋弟者がテンション爆上がりな理由は分かった。

お｢...でも“狐”って僕らみたいにアジトとかあるんかね？そういう話聞かなくない？｣

兄｢そこなんだよなぁ...今回は作戦立てんの大変だなぁ...｣

弟｢いやもうそこは気合いでしょ！｣

兄｢お前ちょっと黙って｣

問題は色々ありそうな感じはしたが、とりあえずぎゃいぎゃい騒ぐ弟者をほったらかし(宥め透かして)、作戦を立てることにした。