今日も、これからも。【2BRO.】 (ページ35)

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その理由ページ35

兄者 side

思わずAの顔を見る。

俺を驚かせた本人はきょとん顔。

兄｢お前...｣

『え？なんか変なこと言いました？え？？』

変も何も...え？

兄｢なんで俺がピザ好きって知ってんの？君がここ来てから俺別にピザの話してなくない？｣

『...え？』

言ってから気付いた。
よく考えたらおかしいんだよな。ピザだけじゃない。

兄｢俺の箸とかマグカップとか把握してんのはまぁいいとして...俺がブラックコーヒー派だってなんで知ってんの？普段は俺君より起きるの早いし、作業の合間とかしかコーヒー飲まないから知りようがないと思うんだけど？｣

『あっ...』

自分の行動、発言のミスにようやく気が付いたのか、目が泳いでいる。

俺の警戒心が高まる。

兄｢俺らのこと...何か嗅ぎ回ってんのか？｣

『へ、いやいや別にそんなつもりじゃ...』

兄｢じゃあ何？｣

俺の射るような視線とAの緩やかな視線が交わる。返答次第では容赦はしない。距離は縮まってきているし少しずつ信用出来るようにはなってきたが、何かあれば切り捨てなければいけない。

その非情さがこの世界で生き残る術だからだ。

『...笑わないでくださいよ？』

兄｢内容によるな｣

『...弟者さんの生放送見てからあの、皆さんのradioとか実況動画とかついつい見ちゃって...それで知識を深めてるというか？理解出来たらいいなというか？おかげで最近今まで以上に夜更かしするようになっちゃって...』

兄｢...え？｣

...深刻そうな顔で何を言うかと思えばそれ？ちょま、俺のシリアス返してくれない？
ねぇ、ほっぺた赤らめるのやめてくれない？その顔不覚にもちょっと可愛いと思っちゃったよ。

兄｢...それだけ？｣

『それだけって何ですか！？いや別に隠してるつもりこそなかったですけど、わざわざ言うまでもないっていうか...本人すぐ近くにいるのになんか恥ずかしいっていうか...』

この子の恥ずかしいポイントはちょっと謎だ...。けど、まぁうん、自分たちの動画見てるってのは悪い気はしないね。

なんか...一気に警戒心解けたわ。拍子抜けだわ。

兄｢つーかなんそれ...ツンデレか？ツンデレなのか？素直に言えない的な？｣

『ツンデレじゃないです。そのウザいノリやめてもらえます？』

兄｢アレ、急に冷たくなった！さっきまでちょっと可愛かったのに！｣