命を賭けて ページ13
予測として頭にはあった。
もしかしたら、って懸念はしてた。
だから今更別に驚かない。
無数の男たちに囲まれていても。
お｢はー...やっぱりねぇ｣
兄｢うん、頭にはあったよねコレ｣
青いのと緑のは多分私と同じ考えだと思う。
｢やぁやぁ、皆さんお揃いですかな｣
兄｢こいつ？｣
お｢そう｣
1歩前に出てきた男。
多分こいつ。
｢私は確かに親玉を殺されました。そして部下たちも殺されました。それは嘘偽りないです。でもね...
そんなことで仇討ちなんてお遊びしてられねーんだよ！！｣
私たちを嵌めた。
弟｢...誰！！！｣
いやなんでこの流れで分かってないねん！！！
『はぁ...二枚舌外交的な...』
お｢厳密にはちょっと違うけど、おそらくそれと似たようなことでしょうね｣
『マジか、うぜー...』
私は依頼主の顔見てないけど緑のが見てるっぽいし、紙に書かれてた内容を知ってたからこいつで間違いないだろう。
男はニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべながら、ペラペラと饒舌に話し出した。
｢この世界は殺るか殺られるかそれしかねぇ。で、ボスも下っ端たちも殺られた。それだけだ。そこに今更未練もクソもねーんだよ。
...でもな、考えたんだよ。どうせなら両方殺っちまえる方法ねーかなって。
そんで閃いたわけだ｣
兄｢...俺らとこいつを同じ場所に集めて戦わせて、弱ったところを一気に叩けばいいってか｣
｢ビンゴ。そういうこった｣
...腹立つ。
こいつのニタニタ顔にも、まんまと嵌められた自分自身にも。
すると、青いのが口を開いた。
兄｢おい、狐｣
『...』
兄｢一時休戦ってことでどうだ｣
『...そっちはそれでいいのか』
兄｢仕方ねーよ。やられっぱなしは性に合わないんでね｣
『...乗った。こっちもやられっぱなしじゃ気が収まらん』
兄｢じゃ、そゆことで｣
...なるほど。まずはこいつらを殺るのが優先ってことか。
確かにさすがにこの数を4人ではいくらメンツがメンツと言えどもしんどいか。
いいだろう。
『来いよ』
｢この数相手に？命知らずもいいとこだなぁ？
お前ら、殺れ｣
命を、賭けて。
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作者名：Alice:A | 作成日時：2019年7月24日 0時
