今日も、これからも。【2BRO.】 (ページ25)

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車内にてページ25

現在、車の中。

兄弟宅に来てから数日が経ち、まぁまぁなんとか歩けるくらいにまで回復した私は兄者さんの車に乗り込みホテルへ向かっていた。

というか大腿四頭筋銃弾で撃ち抜かれて筋繊維よく復活したな。まだズキズキするけどそれでも驚きの回復力。

兄｢...｣

『...』

車内には沈黙が広がっている。うーん、空気が重い。

弟者さん、おついちさんも当然まだ壁はある。そりゃまだ完全に味方とは言い切れないし私も信用し切ってないし。

しかしなんて言うかこう、兄者さんは2人より堅い。心を開くのに時間がかかるタイプっていうか。警戒心が強い。

兄｢...で、とりあえず車出したけどどこ｣

『...え、あ、はい？』

兄｢いやだからホテルの場所。まだ聞いてないんですケド｣

『あ、すみません』

ホテルの場所を伝え、車は進路変更をする。真逆向かってたわ...。

多少話したりはするし、そもそも一時休戦を持ちかけてきたのは兄者さんだから多分(多分！)嫌いとかではないんだろうけど、イマイチ何を考えてるのか分からない。

2人とは普通に楽しそうに話したり笑ったりしてるから余計そう思うのかも。...いや、別に寂しいとかじゃないけど。同じ家で暮らしてる以上否が応でも気になるでしょ。

兄｢...俺が怖い？｣

『...へ？あ、いや別に怖いわけじゃ』

唐突に話しかけられた。チラ、と横目で私と目が合う。

兄｢そう？黙ってるから俺のこと怖いんかなって｣

『怖いというより何考えてるか分かんないって言った方が正しいですかね...』

兄｢それは俺も同じよ。でも少なくとも信用はしてねーと思う。お互いに｣

『そうですね...初日になんとなくおついちさんとは話しましたけど、兄者さんとはこうやってちゃんと話したこともなかったですしね』

初日のおついちさんとの会話を思い出す。
分かりやすい説明、軽いセクハラ()、お母さん的雰囲気のおついちさんは比較的話しやすかった。

兄｢なんつーの、こういう世界で仕事してるとやっぱ疑り深くなっちゃうよね。だからほら、どうしても一歩引いて見ないとって｣

『分かります、周りは全員敵くらいの気持ちじゃないと死にますもん』

兄｢そうなんだよね。でもまぁなんつーか、別にあなたのこと嫌ってるわけじゃないんすよ。むしろ気持ち的には小動物と接するカンジ｣

『...バカにしてんですか？』

兄｢バカにはして...るかもしれない(笑)｣

『チョット。』

...あれ、意外と話しやすいかもしれないこの人。